そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

11月14日(土)子持ち鮎蕎麦!

2015年11月14日 | 公開

  朝いちで床屋へ行く。若旦那とバカ話をしながら刈っていただくこと、例のごとし。

  13:00から本郷で古記録研究会なので、早めに家を出る。メトロの東大前が行きやすいが、敢えて乗り換えて本郷三丁目下車、壱岐坂上の「森の」の暖簾をくぐる。

  研究会の開始時刻まで1時間半あるし、結構寒いので、熱い米の汁1本と、落花生の旨煮をいただく。旨煮は台付きの皿に入れて出てきた。さて、メインは、贅沢して「子持ち鮎蕎麦」を注文。鮎は紀州産なのだそうだ。このお店は、蕎麦前をとらないとつまらない。正しく蕎麦飲み屋である。

  研究会ではKOのSさんによる源氏伝本の発表を伺う。広島のなかむかし文学会へは行けなかったので、有り難かった。私は書誌学者としてのSさんのご見解がまことに正しいと思うが、激烈なる批判者というか非難者側のF氏とも関係は悪くないものので、まあ、上手に立ち回らんとす。しかし、なかむかしの学界では、Sさんの意見がなかなか通らないというのも、不思議である。G先生が、それは文学研究の中で自分たちの時代・領域を特権化しているからで、歴史学だと古代がそうだとおっしゃったが、首肯されるご見解だと感服つかまつった。なかむかしでは一度研究発表させてもらったが、12世紀はなかむかしではない!と、冷たくあしらわれたので、聊か憾みが無いわけじゃない。そのくせ、鎌倉時代物語なんぞ平気で扱うじゃないの(なかつよで発表しても聴く人居ないか)…と言いたいけど、黙っていた。結局、私のホームグラウンドは、あくまでもおうた文学会なのである。

  飲み会は失礼して帰宅する。同居人が関西へ出張中で、姑殿の夕飯を準備しなければならない。御飯を炊く時間がないので、電話して、冷凍してあるのを食べられるようにしておいてもらった。近所の魚屋で、またぞろ有明海産サルボウを買ってしまった。レジのお姉さんに、どうやって食べるのですか?と尋ねられたから、鍋に入れて蓋をし、強火にかけて揺らしながら殻の口を開け、醤油と酒と生姜をぶち込んでまた揺すって、身が赤くなったら出来上がりと、殻蒸しのレシピをご伝授申し上げた。サルボウ(赤貝)、食べないのに売ってるんだな、関東の魚屋は。帰宅してさっそく処理する。ちょっと手間だが、方貝にすると高級感?が出ます。

  同居人は9:00過ぎ東京駅着の新幹線でお帰りあそばした。

  娘が「レリーサ」へ行ったら、私の娘だと分かって、店主のお姉さんに「まあ!」と言われたらしい。なんで分かったんだ?と尋ぬれば、娘「よく父がこちらのクッキーを買ってきてくれます」、お姉さん「お父さま、どんな方ですか?」、娘「眼鏡をかけて、肥った、お喋りの、大学教授…」の会話、で分かったんだそうである。ううううう。