史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

鴨宮 Ⅱ

2022年06月11日 | 神奈川県

(上輩寺)

 

上輩寺

 

 小田原駅東口駐輪場でレンタサイクルを調達し、東へ二十分以上走って、酒匂川を越えて三つ目の信号手前に上輩寺がある。寺族の墓地に戯作者柳水亭種清の墓がある。

 

當山三十四世 桂光院箕阿上人堂山和尚

(柳水亭種清の墓)

 

 柳水亭種清は、文政四年(1821)の生まれ。本名は桜沢堂山。六、七歳のとき越後に行き、その地で両親を失った。近所の寺に救われ、のち遊行上人に伴われて江戸浅草日輪寺の小僧となった。役僧時代、常盤津の女師匠が原因で寺を追われたという。黙阿弥の門に入り、総晋輔という名で狂言の作をしていたが、のち柳下亭種員の門下となり、柳水亭種清と名乗って合巻の著作に励んだ。安政末には日輪寺に赦され、明治二十年(1887)頃から相模国酒匂上輩寺の住職として晩年を過ごした。「児雷也豪傑譚」「白縫譚」など、幕末長編合巻のひきつぎ仕事をしたほか、芝居脚本を合巻化した作品が多数。非常な健筆家で、東京を去ってのちも長編史談数編、明治合巻数編、詩集などの著述がある。明治四十年(1907)、年八十七で没。

 

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