夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

わが法人の今後の方向性は・・・?

2012-04-21 08:06:57 | 私と福祉とであいの旅
4月21日(土)

 昨日、わが法人にはない機能をもつNPO法人に、まだこの事業所にないというベッドを運搬して行きました。わが法人のあうんと同じ「生活介護」という障害程度の重い方の通所事業所と、児童ディサービスを運営しようとこの4月にオープンしたばかりです。

 この13年間ずっと通い続けたAさん(女性)は、私の娘と同じ脳性麻痺と重度の知的障害、重度の肢体不自由という重複障害者です。でも、これまでは元気で通っていたのです。食事は固形のものが摂れませんでしたが、インシュアリキッドという缶詰に入った栄養材を飲んでいました。しかし先月から口からの摂取を拒み始め、口を開けようとしませんでした。
 お母さんは主治医の指示で経管栄養(鼻腔栄養)を始めました。しかし。わが法人には看護師さんの配置は必須要件となっていないために、非常勤で配置されています。その結果、月、水、金の3日だけの勤務となっており、火、木、土は不在です。経管栄養は胃袋にチューブが入っているかを聴診器で確認する作業があり、この部分が医療的ケアとされています。医療的ケアは医師からの指示で看護師以外には保護者しか許されていません。
 それではと「訪問看護」の制度を利用できないかと市の福祉課に問い合わせましたが、市は県に問い合わせた結果として、生活介護と訪問看護は併用できないというのです。法律上の矛盾がこういうところにあります。生活介護事業所には看護師が配置されているという前提で判断されていますが、ならば何故必須要件としての看護師配置をしなかったのでしょうか。職員配置基準に通所施設は看護師は必須要件とはされていないのです。
 このためやむを得ず今後の方向性が決まるまで、看護師をパートでお願いすることにしました。引き受けて下さったのは、ともに岩手県野田村に昨年半年間通った仲間の一人でした。
 この間P・T(理学療法士)とお話をしながら問題点の整理を行いましたが、何故Aさんは口を開けなくなったのだろうか?という素朴な疑問が残りました。Aさんの全身状態としての水準は変わらないのですが、単に口を開けなくなったのは口の中に問題があるからではないかという仮説に行き当たったのです。P・Tも以前からAさんの口の中を何度か見たことがあり、Aさんの治療していない虫歯のあとのかけた刃などが歯茎に刺さっていたりしたことを思い起こしていました。
 こうしてP・Tに依頼して早速開口器を使って口の中を懐中電灯で照らして見ると、「ありました」。大きな虫歯が左上にポッカリと空いていました。そして口の中の衛生状態も悪く、舌も白い色に変わっていました。苔が生えているようです。
 歯茎も歯槽膿漏でブヨブヨになっていて、両耳下腺がこの炎症のためか腫れて熱を帯びていました。
 写真をとってその日のうちにお母さんにこのことを知らせるべく、P・Tからも初見を書いて頂きました。
 こうしてようやく国立病院で口腔外科を受診することができ、大学病院宛てに紹介状を出してもらうことができたのです。全身麻酔でないと、治療ができないということです。青森県には麻酔科があるのは県立中央病院や大学病院など限られています。重度の障害者には、このことは大きな命へリスクとなっています。治療を断念する患者さんがいるからです。

 口腔の問題が治療により解消されれば、初めて医療ケアも不要になります。当面の方向性で、件の4月オープンした生活介護事業を運営する結という法人にお母さんをわが法人のスタッフが案内し、看護師の配置状態、送迎サービスの対応などを確認することができました。Aさんの自宅から6,7分の距離だということで、今までのように1時間近くかかるわが施設よりも、Aさんの負担が少ないように感じられました。そして加齢とともに、Aさんの健康状態の変化する頻度も多くなるような気がします。
 オープンしたばかりなので、この事業所ではまだ20名定員に対して2名しか通所していないということで、スタッフも「両者が良かったね」と思ったそうです。しかし、お母さんの不安はまだまだあるようで、「あうんの看護師の不在の火曜日だけ」をお願いしますという意思表示に、その場にいた事業所の方も同行したスタッフもその回答にがっくりしたようでした。
 お母さんの思いは、果たして何処にあるのでしょうか?
 NPO法人と社会福祉法人の違いがよくわからないので、「将来的に運営面で大丈夫なのかしら?」ということをお母さんがスタッフに漏らしていたとのこと。そしてあとは私の推理ですが、愛さんの医療以外の面も含めて、わが法人の支援内容を重く捉えてくれていたのではないかと思いました。
 私としてはそのことの報告をスタッフから受けて、わが法人が常勤看護師を今後配置する必要があることを実感した瞬間だったのです。
 津軽地区にはかなり通所の事業者が整備されてきたという実感はありますが、そういう中で重度障害者の受け入れ先が格段に少ないし、あってもサービス水準が低いというのが現実かも知れません。

 そういう意味でのわが法人の、これからの重度障害者への行うべき手立てや方向性を再確認させてもらいました
 

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
成田さんへ (りんご)
2012-04-22 15:50:29
母の願いは多岐にわたると思います。

我が家の修復は二日で済むはずが結局
一週間かかり疲れ果ててしまいました。

写真の風景は四月に入ってから写したのですか?

返信する
りんごさんへ (なりたはるみ)
2012-04-23 07:05:42
 修復工事、お疲れ様でした!
 雪解けで、わが家の庭の植木も相当被害がありました。義母の植えた花の咲く木々で、一応雪囲いはしたもののポッキリ枝が折れています。

 写真は今の岩木山を撮影しています。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。