12月13日(金)雪
太宰宰の「津軽」の冒頭には津軽の雪の種類が掲載されている。この分類で現在の雪の状態は綿雪という感じかな?比較的温度が高めの時には、綿雪が舞います。雪は好きです。静かに降ってはいるのですが、雪の上に寝っ転がって空を見上げながら目をつぶると、それでも雪の積もる音が聞こえるのです。雪が重なる音です。カサカサというような・・・。
雪が好きな理由は、寒さよりも暖かさです。雪が植物の上に、あるいは土の中に眠る動物や昆虫たちもゆっくりと包んで春まで眠らせてくれる役割があるということを雪国の人であればだれでも知っていることでしょう。そう、布団の役割です。
野菜(人参、ほうれん草)果物(林檎)も、この雪に埋めて甘みを引き出す効果が知られています。
心の傷もこの真っ白な雪で覆われたら、春には瘡蓋がかかって癒えていることでしょう。悲しみも寂しさも、辛さも憎しみも、この真っ白な雪が覆ってくれるようなそんな気がするこれからの津軽です。
雪の種類
「積雪ノ種類ノ名称」
❅ こなゆき 湿気ノ少ナイ軽イ雪デ息ヲ吹キカケルト粒子ガ容易ニ飛散スル
☃ つぶゆき 粒状ノ雪(霰ヲ含ム)ノ積モツタモノ
❆ わたゆき 根雪初頭及ビ最盛期ノ表層ニ最モ普通ニ見ラレル綿状ノ積雪デ余リ硬クナイモノ
❆ みづゆき 水分ノ多イ雪ガ積ツタモノ又ハ日射暖気ノ為積雪ガ水分ヲ多ク含ム様ニナツ
タモノ
☃ かたゆき 積雪ガ種々ノ原因ノ下ニ硬クナツタモノデ根雪最盛期以後下層ニ普通ニ見ラ
レルモノ
❆ざらめゆき 雪粒子ガ再結晶ヲ繰返シ肉眼デ認メラレル程度ニナツタモノ
☃ こほりゆき みずゆき、ざらめゆきガ氷結シテ硬クナリ氷ニ近イ状態ニナツタモノ
東奥年鑑1941 年(昭和16年)より
さて今日は13日の金曜日で、クリスチャンはキリストがゴルゴダの丘で処刑された忌み嫌われる日のようです。
全くイメージだけなのでしょうが、クリスチャンでもない津軽人でも、この日は必ず人の余り行かない温泉場でひたすら休養に務めることにしている人がいると聞いたことがあります。こんな寒い日には本当に終日温泉に浸かっていたいなあと思いますね。
大学の3年生の冬、アルバイト先の先輩と兄との3人で上高地の手前に川沿いの温泉があって、確か「坂巻温泉旅館」といったでしょうか・・正月3日間を過ごした記憶があります。露天風呂もあって、こたつに入ってゴロゴロしていても寒いので一日になんども温泉に使っていました。確か冬はこの温泉旅館まで1時間ほど歩いたように思います。
バス停のそばにはお汁粉屋さんがあって、凍えた身体を温めてくれました。それだけが嬉しい思い出に残っています。