夢発電所

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講演「官民協働による災害対応の可能性」

2013-08-30 06:53:49 | 私と福祉とであいの旅
8月29日(木)ヒロロ

 「NPO法人 さくらネット」 石井 布紀子さんの講演が急遽弘前の最近リフォームを終えた「ヒロロ」スクエアコミュニケーションゾーン(旧ジョッパル)3Fで開催された。
 主催は青森県男女共同参画研究所 前田ミキ代表


 石井さんとは、久しぶり(2年ぶり?)の再会である。そして講演を聴くのは「阪神淡路大震災」の講演を旧岩木町で開催以来ということになる。
 彼女は西宮出身であることから、私は「あうん」をオープンしたての頃に、西宮の先駆的な障がい者事業所を数件案内してもらったことがある。
 目から鱗が落ちるような体験をその時したのは、今私の運営の基盤にある。その一つはアタリマエのことかもしれないが、外部から講師を招いて利用者の世界を広げることである。「すずかけ作業所」では画家をスタッフの一人として加えて、障がい者(今思えば発達障害の方)の世界を広げていた。
 もう一つはパン屋の店長を障がい者自身が担っていたお店である。(これはまだうちではできていない)「新生園作業所」では、すでにインターネットでの商品販売をしていた。県内の障害者事業所の使用する小麦などの原材料を一括購入して材料費の抑制化を進めていた。

 今回は我々の施設が10月に計画している「防災訓練」を、点検するために彼女の話を聞きたいと考えたのである。
 
 さて、この記事を書き始めてから3日目が経ち、きょうは9月1日「防災の日」。昨日来関東大震災の起きた日でもあるためか、「90周年記念」ということでもあって、いろいろマスコミが報道している。

 人が暮らすためには、一日必要な水は3リットルだという。家族単位では5人家族の場合は、一日15リッターを消費する目安。結構な量である。
 我が家も今はポッチャン便所ではなく水洗なので、水が供給されなければ流すことが出来ない。
 停電時非電化製品であるかまどや薪ストーブは、すごく大切なサバイバルグッズなのだ。煮る・炊く・温まるという課題をこの3千円程度で購入できる器具は叶えてくれる。発電機も便利だが、この機械だってガソリンを必要とするのだ。津軽ではリンゴ農家が多く、りんごの枝切りはいつも必要なものでもある。そういう意味ではりんごの薪をこのストーブ燃料とするのは、どこの家でもとは行かないが普通に行われていることなので、使用可能な地域性かもしれない。

 石井さんの講演は、いくつか我々が今こそやって置かなければならないポイントを整理してくれた。
 まず町会でもやっていないこと、それは住民の安全をどう守るのかということである。誰を誰が支えるのかということは、支えなければ行きていけない人はだれかということでもある。その把握ができていないし、その支える人も配置できていない。
 緊急時の集合場所はどこか、更に緊急時の避難所はどこか?地震の場合と、水害の場合では、避難所や集合場所も異なる必要があるのだ。我が町会や施設でものことは共通項かもしれない。
 安否確認をするためには、その安否対象者の情報がなければならない。「個人情報保護法」という多くの人に誤解を生じている厄介な法律が、人々の連携連帯を妨げる要因になっている。プライバシー保護と個人情報保護との違いがあると話してくれた。
 個人の生命の安全を守るための目的以外に使用しないという約束を守る。情報を漏らさない努力をする。(インターネット)
 人は時間とともに変化する存在である。状態像が変わっていくのだ。そういう意味では、いつも気にかけていく仕組みがなければ、いざという場合に役立たない。
 石井さんの例示の中に、わかりやすい表示の仕方で、青・黄色・赤というマークでの表示例があった。その表示をする前のニーズ把握が、今必要なのである。この地域に赤や黄色の人がどれくらいいるのかを、把握しておく必要があるのだ。

 もう一つは「3・3・3」の意味するもの。
 地震が発生してまずは3分を凌ぐこと。地震が収まる目安。次に30分以内に安全な場所へ脱出すること。次は三日間を安全に暮らすこと。逆に言えば、3日間以内に弱者を救わないと、人は生命が危険な状態になるということでもある。72時間がその目安らしい。大抵の場合避難所生活では、3日間でほとんど帰宅可能となるという。
 「大丈夫ですか?」という声掛け(安否確認)が、いかにスムーズにできているかということが近隣住民の課題でもある。
 私の事業所が弘前市と提携を結んで「福祉避難所」の指定を受けた。しかし、2ヶ月たっても、具体的に市からどのような水準の避難所にすべきかという指示も話し合いも、市の側から持たれていない。止む無く事業所主体で、避難所の準備を出来る範囲でしていくしかない。10月6日の想定訓練が、まずその第一歩になる。

 そんな中昨日来大雨が津軽に降り続いて、今朝岩木川を見に行ったらかなり増水していて、これ以上大雨が降れば氾濫水域を超えそうな勢いである。
 収穫前のリンゴや、稲が心配になっている。