影を慕いて

日本各地で気温３５度を超える猛暑日が連日のように続いている。
この３５度、気象庁の一定の設置基準により百葉箱で計測されるものである。
百葉箱の設置基準を調べてみれば、「芝草を植えた露場に高さ1.2～1.5mに
各感部が来るように取付、扉は北側に向け直射日光を避ける。」とある。
直射日光のあたる路上の気温を考えるに想像を絶するものがある。
熱中症が後を絶たないのもうなずける。

職場が駅から東の方角にあることは、前に「歩く」で述べたとおりである。
毎日こう暑いと、身体が勝手に影を慕いて歩くようになる。
南北に走る道路に出来る家屋の影は絶好である。北に向かう道路は、空気が
涼やかに感じられて特に好きだ。

街並みに一言、不揃いの家屋は影も凸凹となり、影を慕って歩くのに具合が悪い。
空き地などはもってのほかである。

影を慕い北に向かって歩き続ければ、職場放棄になるので、何処かで意を決し
東に向かう必要があるが、日影の少ない東に向かう道路は最悪である。
「藁にもすがる思い」で電線の細い影を慕ってみたが効果なし。
程なくして、やや広い幅の影になったので、これ幸いと慕い続けていたら
電柱にぶつかりそうになった。

東に向かう道路が、以前記述の「回廊式」でないことを事前に察知する能力
もまた重要な要素となる。

東に歩き、すぐ南に向かう道路が見つかればラッキー。きっといい一日になる。
そしてまた意を決し東へ・・・。
影を慕いては、猛暑日を乗り切る通勤手段としてベストだべか。