田舎の道草

田舎の道草徒然日記

眼科にてPartⅡ

2012-03-18 | 日記・エッセイ・コラム
網膜症と診断されていた私は、今回、網膜光凝固術
(レーザー光凝固術)の手術を受けるため待合室にいた。
眼底の毛細血管の一部に、血液が行き届かないところが
あり新生血管が増殖しているとのこと。そしてその
新生血管は非常にもろいため新生血管から出血して
いるところもあるという。これらを放置していると
失明という視力障害に陥ることになるらしい。
血液の行き届いていない部分をレーザー光によって凝固
させ、 その新生血管の増殖を抑えることが今日の手術の
目的である。
散瞳を開き、フラシュのようなレーザーの光が数百回
連続して当たる。
痛みは比較的少ないものの、鈍痛とレーザーが神経に
当たった時には、とても痛く、数十分の手術が、とても
長く感じる。一週おきに行う三回の手術のうち、二回が
これで終了したことになる。
一回目の術後、時間潰しに行ったパチンコ、大当たり
してパチンコ台から放たれる光が、手術した目には、
刺激的過ぎだったことを思い出す。これは反省である。
  


眼科にてPartⅠ

2012-03-18 | 日記・エッセイ・コラム
病院の待合室で、こんな光景が目に入ってきた。
病気のお爺さんに付き添って来ていたおばあさん、
お爺さんの治療を待っている間、喉が渇いたのか
ペットボトル入りのジュースを買って戻ってきた。
目の前の椅子に腰掛け、フタを開けようとして、
なかなか容易に開けられないでいる。
素手で試みた後、ハンカチで包んで試みてもいたが
一向に開きそうになかった。見かねた私は、
「おばあさん、開けてあげましょう」と言おうと
して、思わず躊躇してしまった。何故なら、フタを
開けるのに指を舌で湿らせたからだ。そしてその
動作が、プロ野球ピチャーが投球前に指を舐める、
あの動作によく似ていたからだ。
程なくしてペットボトルのフタは開き、おばあさんの
喉を潤すこととあいなり安堵する事ができた。
暫くして、治療を終えて戻ったお爺さんに、
心配そうに声を掛ける言葉、大丈夫だと応える
お爺さんの言葉、点滴をしている腕が疲れはしない
かとコートを丸めて腕の下に、そっと添えるおばあ
さんの仕草、また、帰る時には、お爺さんにコートを
そっと着せ掛ける仕草、言葉と仕草の全てがとても
もの静かで優しい。おもいやりに満ちあふれ、歩んで
きた夫婦の年輪というものを感じずにはいられない。
夫婦はこう老いるべきと、想いを馳せていると、
私を呼ぶ看護師の声で我に返った。
眼科にてPartⅡに続く!