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事業仕分けでやっぱり「ジョブカード」が廃止

2010-10-28 07:17:41 | 雇用・就職
 菅政権で初となる「事業仕分け」第3弾の前半選が27日に始まり、「ジョッブカード制」が廃止と仕分されました。

 廃止と判定されたのは厚生労働省の「ジョブカード制度普及促進事業」と「キャリア形成促進助成金」です。この事業は、政府が新成長戦略で「取得者300万人」と掲げていたジョブカードの関連事業です。

 さて、ジョブカードとは、求職者が職務経歴書を書き込む履歴書のようなもので、フリーターなどの求職者を受け入れて訓練した企業に、人件費や訓練費用を助成する助成金や推進事業とセットで2008年度から始まったものでした。企業で訓練した求職者の能力評価を企業が記入する形式になっています。

 このジョブカードの目的は、訓練機会の少ない人の職業能力を上げ、そのことを記録することで就職や転職に役立つようにするものです。

 このジョブカードですが、昨年度の予算の執行率は6割と低迷しました。一般にジョブカードを知っている人は少ないのではないでしょうか。私は、キャリアコンサルタントの資格を取得したのが、2008年度でしたので、ちょうどこの制度がスタートした年でした。講習会でこの制度ができたことが述べられたので、講師に質問したことを覚えています。

 質問の内容は、この制度の概要はどのようなものかということでした。講師の説明を聞いて、制度の定着、普及は難しいと思いました。なぜならば、日本には、企業横断的なキャリア形成という考え方が定着していないからです。この制度は、イギリスの制度を模範にして制度設計したとも説明を受けました。そもそも「ジョブカード」と英語を使わざるを得ないのが問題です。

 企業で訓練した内容を職務経歴と記載して、職歴の履歴書とするのですが、「職務経歴書」と同じなのではというのが私の印象です。厚生労働省が予算拡大に制度設計したものだったのではないでしょうか。

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