ノンフクション作家、門田隆将氏の本「死の淵を見た男~吉田昌郎と福島第一原発の500日~」を読みました。
3.11の東日本大震災による福島第一原発の苦闘の日々が当事者のインタビューを基に記載されている本です。あの原発事故がいかに厳しい状況にあったかを知ることができます。原子炉を消防車の放水で冷やす試みがテレビで報道されているのを私たちは見ていたのですが、あの時に原子炉を冷やすことができなかったら、東日本は放射能汚染地帯となり人が住めなくなったかもしれないということを読むと恐ろしい事態に私たちはいたことに驚くばかりです。
この本では、管元首相が福島第一原発に行ったことにも触れています。この行動には賛否両論がありますが、この本によると、管元首相のこの行動は、なぜベントをしないかを現場に確認にいくことだったと書かれています。その背景には、菅元首相の東京電力での不信があったと書かれています。この行動は、首相の行動ではないと批判があったようですが、官邸の情報収集機能に欠陥があったことが根本問題であったのではないかと私は思いました。
それにしても、日本人の現場の人たちの使命感には感動します。太平洋・アジア戦争の状況と同じだと感じました。現場が必死に働き、管理側は方向性を出せないで右往左往している状況です。
現場力が日本の力であり、構想力を打ち出せないという日本の欠点を、この本を読んで思いました。
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