http://www.youtube.com/watch?v=blLca7QaeKE&feature=player_embedded#at=54
ビートたけしさんが「被災地に笑いを」なんて戯れ言だと週刊ポストに書いていた。
(私は普段、この手の雑誌を買わないのだけども、今回の震災の特集を組んでいる雑誌はあらかた買い漁った)
よく「被災地にも笑いを」なんていうヤツがいるけれど、今まさに苦しみの渦中にある人を笑いで励まそうなんてのは戯れ言でしかない。
しっかりメシが食えて、安らかに眠れる場所があって、人間は初めて心から笑えるんだ。
悲しいけど、目の前に死がチラついている時には、芸術や演劇なんてのはどうだってもいいんだよ。
実際、たけしさんは「こんな時に着ぐるみ着てバカやれないよ」として『世界まる見え!テレビ特捜部』の収録を直前に取り止めている。
普段は見せないたけしさんの繊細さと真面目さが伺い知れる話だ。
たしかに、テレビ番組によっては被災地の人に笑いをと言いながらバラエティ番組を放送している。
勿論、それで少しは気が紛れる人がいるかもしれないが、一方で戯れ言としか聞こえない人もいるかもしれない。
たけしさんとは少し違った視点で被災者への思いを語ったのは伊集院光さんだ。
先々週、「伊集院光深夜の馬鹿力」が番組中止になったときに以下のようなメッセージを発した。
次回の放送までにより面白く、よりくだらなく、より馬鹿馬鹿しい話が出来るように備えたいと思っています。(略)
僕の個人の考え方を一つ言わせて貰います。
明日のために真面目に色んなことを考えるのすごく大事です。
すごく大事なんですが、考えて考えて考え疲れちゃって悲しいこととか怖いこととか真っ黒いこととかしか思いつかなくなっちゃった時には、本当にくだらないことを考えてください。
びっくりするぐらいくだらないことを考えて、全部過ぎ去った後に「伊集院、あの時、おれこんなこと考えちゃったんだよ」みたいな話を聞かせてください。
そういうくだらないことで心から笑える日が来ることを祈っています。
そして翌週、伊集院さんは面白く、くだらなく、馬鹿馬鹿しい話をしてくれた。
たけしさんが云うように被災地の人はまだ心から笑えないかもしれない。
でも、伊集院さんは多分それを承知でやっていた。
そう、心から笑ってもらうためではなくて、心から笑える日が来るためにやっているんだと思う。
そう考えるとなんだか胸が熱くなった。
たけしさんも昨日の「情報7Days」でやはりくだらないことをやっていた。
たけしさんと伊集院さん、云っている事は違うように聞こえるが実は同じだ。
きっと、その他の芸人の思いも同じだと思う。
いや、あるいは日本国民全員が。
私は被災地の人に贈る言葉を持ち合わせていない。
テレビで見聞きするメッセージを聞いていてもさほど心に響く言葉は無いように思う。
しかし、同じく先週の「伊集院光深夜の馬鹿力」で電気グルーヴのピエール瀧さんから被災地に贈る曲と言葉が紹介された。
私がこれまで聞いたメッセージの中でもっとも力が湧く言葉だった。
下記に紹介して、この稿を終えたい。
************
今回の地震で被災された皆さん心からお見舞い申し上げます。
そして、現場で命を懸けて闘ってくれている皆さん。
本当にありがとうございます。
昨日は満月でした。
この曲はソウルフラワーユニオンが1995年の阪神大震災の直後、歌で現地の人を勇気づけようと神戸入りし、現地を周っていた時に作った曲です。
震災直後の状況を訥々と綴る歌なのですが、生きる勇気、命の強さを感じさせてくれるとても強い歌です。
どうにもならない時がある。
深い悲しみの底にある時がある。
しかし我々は強い。
そして必ずもう一度立ち上がる。
必ずです。
そう遠くない未来、また共に笑いあえる日々を約束して。
ピエール瀧
ビートたけしさんが「被災地に笑いを」なんて戯れ言だと週刊ポストに書いていた。
(私は普段、この手の雑誌を買わないのだけども、今回の震災の特集を組んでいる雑誌はあらかた買い漁った)
よく「被災地にも笑いを」なんていうヤツがいるけれど、今まさに苦しみの渦中にある人を笑いで励まそうなんてのは戯れ言でしかない。
しっかりメシが食えて、安らかに眠れる場所があって、人間は初めて心から笑えるんだ。
悲しいけど、目の前に死がチラついている時には、芸術や演劇なんてのはどうだってもいいんだよ。
実際、たけしさんは「こんな時に着ぐるみ着てバカやれないよ」として『世界まる見え!テレビ特捜部』の収録を直前に取り止めている。
普段は見せないたけしさんの繊細さと真面目さが伺い知れる話だ。
たしかに、テレビ番組によっては被災地の人に笑いをと言いながらバラエティ番組を放送している。
勿論、それで少しは気が紛れる人がいるかもしれないが、一方で戯れ言としか聞こえない人もいるかもしれない。
たけしさんとは少し違った視点で被災者への思いを語ったのは伊集院光さんだ。
先々週、「伊集院光深夜の馬鹿力」が番組中止になったときに以下のようなメッセージを発した。
次回の放送までにより面白く、よりくだらなく、より馬鹿馬鹿しい話が出来るように備えたいと思っています。(略)
僕の個人の考え方を一つ言わせて貰います。
明日のために真面目に色んなことを考えるのすごく大事です。
すごく大事なんですが、考えて考えて考え疲れちゃって悲しいこととか怖いこととか真っ黒いこととかしか思いつかなくなっちゃった時には、本当にくだらないことを考えてください。
びっくりするぐらいくだらないことを考えて、全部過ぎ去った後に「伊集院、あの時、おれこんなこと考えちゃったんだよ」みたいな話を聞かせてください。
そういうくだらないことで心から笑える日が来ることを祈っています。
そして翌週、伊集院さんは面白く、くだらなく、馬鹿馬鹿しい話をしてくれた。
たけしさんが云うように被災地の人はまだ心から笑えないかもしれない。
でも、伊集院さんは多分それを承知でやっていた。
そう、心から笑ってもらうためではなくて、心から笑える日が来るためにやっているんだと思う。
そう考えるとなんだか胸が熱くなった。
たけしさんも昨日の「情報7Days」でやはりくだらないことをやっていた。
たけしさんと伊集院さん、云っている事は違うように聞こえるが実は同じだ。
きっと、その他の芸人の思いも同じだと思う。
いや、あるいは日本国民全員が。
私は被災地の人に贈る言葉を持ち合わせていない。
テレビで見聞きするメッセージを聞いていてもさほど心に響く言葉は無いように思う。
しかし、同じく先週の「伊集院光深夜の馬鹿力」で電気グルーヴのピエール瀧さんから被災地に贈る曲と言葉が紹介された。
私がこれまで聞いたメッセージの中でもっとも力が湧く言葉だった。
下記に紹介して、この稿を終えたい。
************
今回の地震で被災された皆さん心からお見舞い申し上げます。
そして、現場で命を懸けて闘ってくれている皆さん。
本当にありがとうございます。
昨日は満月でした。
この曲はソウルフラワーユニオンが1995年の阪神大震災の直後、歌で現地の人を勇気づけようと神戸入りし、現地を周っていた時に作った曲です。
震災直後の状況を訥々と綴る歌なのですが、生きる勇気、命の強さを感じさせてくれるとても強い歌です。
どうにもならない時がある。
深い悲しみの底にある時がある。
しかし我々は強い。
そして必ずもう一度立ち上がる。
必ずです。
そう遠くない未来、また共に笑いあえる日々を約束して。
ピエール瀧