あび卯月☆ぶろぐ

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『正論』十月号感想、松原正篇

2008-09-09 22:39:21 | 書評・雑誌
前回の記事で書いたとおり、今月号の『正論』は松原正さんや佐伯啓思さんの論文が載っていたので購入した。
それぞれ、別のことを論じているが、簡単に感想を書いておく。

×××

松原正さんは福田恆存先生のお弟子さんで一応、保守派言論人だがいつも保守派の批判ばかりするので論壇で村八分にされている。(と、御本人とその周囲の人々は云っている)

今月号の正論に載った記事は『WILL』に掲載された一連の西尾幹二さんの皇太子への「御忠言論文」に対する批判記事だ。
いつも切れ味鋭い松原先生のこと、どんな内容だろうと思い勇んで読んでみたが、どうも煮えきらぬ気持ちだけが残った。
というのも、西尾氏の危惧は平たくいうと「皇太子夫妻は将来、天皇・皇后として皇室の伝統を背負ってゆく覚悟が出来ているのか?」ということであり、天皇としての自覚のない皇族が皇位につけば、国民は皇室を見離し、最悪の場合「天皇制」の廃止に繋がりかねない、というものだ。

これに対して松原氏は明確な回答なり反論を提示せず、「日本人が日本人である限り、「天皇制」を止めてしまふやうな事態には決してならない」とか「日本が日本である限り「天皇制」は決してなくならない」など、根拠の無い断言が目立った。

確かに、西尾氏の危惧も一種、根拠の無い部分があり、杞憂とみる向きもあるだろうが、皇太子夫妻に対して疑念なり、疑問を抱いている国民が増えていることは事実だ。
果たして多くの国民から尊敬を受けない天皇は天皇たりうるのだろうか。
私は今ひとつ、楽天的になり得ないでいる。