あび卯月☆ぶろぐ

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「文化の日」とは何ぞや

2006-11-04 02:30:14 | 雑記
今日(もう、昨日になってしまたが)は「文化の日」でした。
そもそも、文化の日とは何なのでしょう?
国民の祝日に関する法律(祝日法)では「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としていそうです。
なるほど、詰まりはこの日は文化的な行いをしなさいということでしょうか。

文化の日について福田恆存さんは昭和二十九年十月、HNK移動講演会においてこう述べました。
少々長くなりますが引用します。

私は「文化の日」といふ言葉が大きらひであります。
その嫌ひな理由でも話せば、何か話になるだらうと、そのくらゐの考へで今日こゝへ參りました。(中略)
戦後、この日(文化の日(あび註))をはじめ、一年間の祝祭日がどういふふうにして出來あがつたか。(中略)
じつはばらばらで、統一がない。だれが決めたか知らぬが、私などはとても本氣でつきあふ氣がしないのであります。(中略)
戰前ですと、いふまでもなく全部統一があつた。それはなるほど、いちおうは皇室中心主義的な考へかたといへるかもしれません。祭日の據つて來たる理由は、全部、皇室の行事と關聯を保つてをりました。正月は四方拜、春季および秋季皇靈祭、嘗祭、新嘗祭、いづれも皇室の行事に、あるいは祖先をまつる道に關係がありました。しかし、もつと深く考へてみれば、なにも皇室中心主義のなんといふより以前に、それらは日本の農耕生活にもとづいてゐたのであります。むしろ皇室のはうが、それに據つたのです。
 ところが、戰後は、皇室中心主義も道もいけないといふことになつた。農耕生活も非合理的でばかばかしいといふことになつた。そこで過去の祭日は全部否定してしまつて、さつきのやうな奇妙な祭日をでつちあげたわけです。(中略)
「文化の日」といふと、もつとわけがわからない。戰後さかんに「文化國家」などといはれたことがありますから、たぶん武器を棄てて、やけになつた日本人が全世界に向かつて、「矢でも鐵砲でも」ではなく「文化で來い!」と意氣ごんだつけたものでせう。


つまり、戦前の祝日は日本の伝統文化に根附いていたが、
戦後はその統一性をすべて失ってしまったという事です。
確かに、文化の日と言われてもそこに伝統や文化の重みを感じることが出来ません。
「文化の日」は戦前は「明治節」という祝日でした。
明治節というのは明治天皇の誕生日(天長節)という意味です。

長々と引用してこう言うのは矛盾してるようですが、
私は「文化の日」がそれほど嫌いではありません。
むしろ、文化という言葉には親しみを覚えるし、文化の日の趣旨にも賛成です。
というより、私にとってこの日は「文化の日」というより「レコードの日」なのです。
あまり知られていないことですが、十一月三日は「レコードの日」でもあるのです。
こちらの方がしっくりくる。
それにレコードを聴く事はそれこそ文化的な行いでありましょう。
という次第でレコード(正確に言うとCDですが)を聴きました。
しかし、「○○の日だから○○をしよう!」という態度はどうなのでしょうね(笑)