あび卯月☆ぶろぐ

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東南アジアとの聯携・・・日本のゆくへ(4)

2005-10-24 23:19:14 | 政治・経済
このシリーズを続けるつもりはなかったのですが、
ここで、一つの提言をしておきたいと思います。

(3)までは国内の政治のことを述べました。
では、外交はどのようにすればよいのでしょうか。

今回は東南アジアとの関係を経済的な観点から考えたいと思います。

言うまでも無く、現在、アジアにおいての中国の経済的擡頭は目覚しいものがあります。
さらに、中国は自らを枢軸国として東南アジアとの経済的聯携(れんけい)を進めようとしています。

この動きに既視感を覚える方も居るのではないでしょうか。

そうです。戦前に日本が目指した「大東亞共榮圏」そのもであります。
奇を衒って言うのではなく現実に中国は「大東亞共榮圏」構想をモデルとして東南アジアとの聯携を目指しているわけです。
しかし、これで、めでたしめでたし。とはいきません。

当の東南アジア諸国が中国のこの動きに強い危機感を示しているのです。
当然でしょう。中国のような軍国主義覇権国家が枢軸になり経済圏を作ろうとしても歓迎されるわけがありません。
これは、東南アジアの民主主義の危機とも言えます。
さらに、これは日本にとっても危機的な状況なのです。
なぜならば、中国を枢軸とした東アジア経済圏が出来た暁には、
それこそ、(本来親日的な)東南アジア諸国が反日に傾く危険性があるのです。
そして、東南アジアは中国の軍事力・経済力に対抗しうる程の力を持ち得ていません。

では、日本はどう動くべきなのか。

もう、私がここで述べるまでもありませんが、
当然、日本が先頭にたち東南アジアとの聯繋を進めるべきなのです。
事実、ASEANはそれを望んでいて、むしろ、日本が首を縦に振らないという現状なのです。

もちろん、一言に聯携といっても様々な捉え方がありますが、
とりあえずは、経済的な聯携のほかに政治的にも日本はもっと東南アジアに目をむけるべきでありましょう。

ただ、難しいのは東南アジアにおいてはEUのユーロような統一通貨をつくることは今のところ不可能ですし、
将来的にもまず不可能だと思います。
また、アジアは生活習慣もまったくことなる諸国家のあつまりですし、宗教も多種多様です。
この点だけを鑑みてもヨーロッパ共同体のような緊密な聯携は不可能でしょう。

ですから、EUをモデルとするのではなく東南アジア独自の聯携の仕方を模索しなければならないでしょう。
そして、日本を枢軸として新大東亞共榮圏を形成し、中国の軍事と経済に対抗しうる共同体を作る必要があります。
これこそ、今後の理想のアジア像だと思います。

さて、こういう大域的な視野に立った提言が日本の政治家の口から大きな音で聴こえてくるのはいつになることでしょうか。


※今回は副読物としてこのページをお薦めします。

櫻井よしこ「アジアの『嫌われ者』は中国だ」
(日本ルネッサンス 拡大版 第183回)
http://blog.yoshiko-sakurai.jp/archives/2005/09/post_380.html