千種の、ほんまにうまいもんだけ。

料理の天才だった千種ばーちゃんを追い続ける孫の料理記録。2012.9.24~アレルギー対応レシピのみのブログを併設。

お菓子の材料の保存の話

2009年03月14日 10時33分39秒 | お菓子作りの美味しい話
皆さんがせっかく購入した材料を、できるだけ美味しい状態で保存できますように。私が行っている保存方法ですが、参考にしていただければ幸いです。

*バター・マーガリンの保存
無塩バターは特に鮮度の落ちがはやく、使わない分は小分けしてすぐに冷凍するのをおすすめします。
使うときは自然解凍か、様子を見ながらレンジの弱にかけます。

*粉の保存
強力粉は薄力粉よりいたみやすく、冷蔵保存します。冷凍庫の広さに余裕があるなら冷凍がベストです。
薄力粉も同じです。
アーモンドパウダーも酸化しやすいのですぐに冷凍しましょう。
抹茶パウダーも冷凍で長持ちします。

ナッツ・ドライフルーツの保存
これも冷凍がベストです。使うときはナッツはそのまま、ドライフルーツは少し解凍してから。
もちろんナッツは軽くローストしたほうがベストです。オーブンの低温で乾燥させるか、弱火にかけたフライパンをゆすりながらローストさせてもいいです。

*バニラビーンズの保存
香りが強いので、しっかり密封して冷凍保存。

*ドライイーストの保存
しっかり口を閉めて冷凍保存。

*生クリームの保存
生クリームはそのまま凍らせると分子構造がかわり、解凍すると分離して使えません。
ホイップにすると冷凍が可能です。

*ケーキの保存
作ったケーキも、ほとんど冷凍可能。食べる時は自然解凍がおすすめですが、待てない人は(私です)レンジの弱で様子をみながら加熱。

シフォン・マフィン・ガトーショコラ・パウンドケーキ・スコーン・チーズケーキ・シュークリーム・モンブラン・フルーツ無しのロールケーキ、ムース、あんこ、まんじゅう、団子etc、冷凍可。

プリンは食感が少し変りますので、おすすめしません。

*冷凍保存不可
形そのままのフルーツは解凍すると食感がかわり水分が出るので冷凍できません。(バナナやいちご、ブルーベリーなど、凍ったままアイスとして食べるには問題ありません)
クリームチーズも冷凍できません。

薄力粉の話

2009年03月14日 00時05分10秒 | お菓子作りの美味しい話
お菓子作りに慣れている方はすでに知っていることだと思うので、これからお菓子作りをはじめようと思っている方たちへ。

*超薄力粉について。
私が普段のお菓子に使っているのは、1キロ140円ほどの一番安い薄力粉です。
色々試してきたものの、この粉でマフィン・クッキー・シフォン・パウンドケーキは十分美味しく作れるので、あえて高い粉は使っていないのです。

ただし、スポンジケーキだけはこの粉で美味しく作れません。

もちろんそれなりに焼けることは焼けますが、超薄力粉を使ったときとの差があまりにもはっきりでるのです。

超薄力粉とは、たんぱく質含有量が低く、グルテンが形成されにくいため、より生地が軽く、ふんわり仕上げることができる粉のことです。

<主な超薄力粉>

*特宝笠:プロ御用達。粒子が細かく気泡をつぶしにくいため、スポンジに最適。(1キロ約450円)

*ビーナス:最高級の超薄力粉。軽い食感に焼き上げることができる。(1キロ約400円)

*スーパーバイオレット:お菓子屋さんで最も多く使われているロングセラー。生地が軽く焼きあがる。(1キロ約400円)


これらの粉はネットで購入することができますが、送料もかかるしそこまでお金をかけられない!という方には、日清製粉のバイオレットをおすすめします。
スーパーで1キロ280円程度で購入できますので、スポンジを作るとき・少し気合を入れたお菓子のときは、ぜひ使ってみてください。
きめ細かさ・食感が格段によくなります。


強力粉の話

2009年03月13日 17時04分41秒 | お菓子作りの美味しい話
*パン作りにおいて、好みの食感にあわせて強力粉を選ぶ。
柔らかい食感=たんぱく質含量の多い粉を使う。(主にカナダ・アメリカ産)

ハードな食感=たんぱく質含量の少ない粉を使う。(フランスパン用の粉)

香り優先=国産の粉を選ぶ。

*主な強力粉の種類一覧
カメリヤ:手に入りやすく、甘みがあって口どけがいい。柔らかい食感。

スーパーカメリヤ:精製度が高く、きめ細かに焼ける。柔らかい食感。

イーグル:どんなパンにもむいている、くせのない風味。柔らかい食感。

オーガニック強力粉:味わい豊か。外国産小麦のため柔らかい食感。

はるゆたか:もっちりしっとり、粉の風味が抜群で甘みもある、人気の粉。柔らかい食感。

ゴールデンヨット:ふわふわの食感に焼きあがる。柔らかい食感だが、食パンに適する。

スーパーキング:弾力のある仕上がりになる。柔らかい食感だが、山形食パンなどに適する。

リスドォル:フランスパン専用粉。外側がカリッ、中はもちっと焼きあがる。ハードな食感。

レジャンデール:複雑な強い香りが個性的。ハードな食感。

テリヤ特号:国産小麦。オールマイティに柔らかいパン~ハードなパンに適する。





シフォンケーキの話

2009年03月13日 12時02分01秒 | お菓子作りの美味しい話
*家庭のオーブンにちょうどいい、17cmのシフォン型。
直径20cmの型で焼く場合、天板から20cm程度の高さのあるオーブンで焼くのがベストです。
火が近すぎると表面が焦げやすく、アルミはくなどで覆う必要がありますが、オーブンの扉を途中で開けるのは、デリケートなシフォン生地にとってよくないこと。
17cmの型なら小さなオーブンレンジでもうまく焼くことができます。
また、生地の火の通り加減も、小さなオーブンでは17cmがベストだと私は感じました。

*なぜ卵黄が少なく、卵白が多い配合なのか。
家庭では、卵黄や卵白だけが半端に残るのは嫌なものです。
しかし、卵黄が多すぎると、シフォンのふんわり感が減り、しっかりした生地になります。もちろん配合の妙ですが、私は生地の柔らかさを求めた結果、卵黄を少なめにする配合に落ち着いています。

*なぜ型に油を塗らないか。
シフォンは焼きあがったら逆さまにして冷ますのが特徴です。
油を塗った場合、生地がはがれおちる可能性があります。テフロンのシフォン型も出まわっていますが、同じ理由で避けたほうがいいです。

*油を塗っていないのに、冷ましたときに生地が落ちてしまう。
これは焼き方があまく、水分が生地に残っている場合におこります。
家庭のオーブンの癖は様々なので、焼き時間を5~10分長くすれば改善される場合があります。
長く焼いているのに落ちる場合は、分量の水分が多すぎる場合か、メレンゲがゆるすぎた可能性が考えられます。

*メレンゲについて。
・メレンゲを作る時、ボウルに油分・水分がついているとうまく泡立ちません。
卵黄と卵白に分ける時に少しの卵黄が混じってしまっても失敗のもとになります。

・また、卵白をしっかり冷やしておくのも大事なポイントです。
ぬるいとキメがあらくなります。

・砂糖を数回に分けて加えるのは、重大なポイント。
砂糖を初めから一度に加えてしまうと、卵白が水分を吸って重たいメレンゲになります。
最低3回に分けて加えることで、ふんわりしたメレンゲになり、生地もいい状態になります。

・メレンゲは基本的に、純度の高いグラニュー糖で作るといわれています。
しかし私は上白糖で何度も試しましたが、全く問題なく泡立ちます。
ただし三温糖などは、ゆるめのメレンゲになるので避けたほうがいいです。加えるなら卵黄生地にいれましょう。

・塩をひとつまみ加えることで、メレンゲが安定して離水しにくくなります。
結果、クレームオブタータ(メレンゲを安定させる添加物)を加えなくてもよいのです。

・砂糖を卵黄生地用とメレンゲ用に分ける理由。
メレンゲを作る時、砂糖の量が多すぎると重たいものができるから。
シフォンを作る場合、卵黄生地と併せやすいよう、重たすぎないメレンゲにする必要があります。

*ベーキングパウダーについて。
シフォンはベーキングパウダー無しでも作れます。
しかし、少量加えることで生地が安定するのです。
入れたくない方は、省いてくださってかまいません。

*シフォン型から外したら、底に大きな空洞があくのはなぜか。
私が一番多く経験した失敗です。
これは空気が入ったためではなく、焼き時間がたりないか、水分が多すぎるからです。さかさにして冷ます時に、生地が重たいために引っ張られて、空洞ができます。
本の焼き時間の通りに焼くと、こうなることがとても多かったです。
17cmの型で、150度45分が私のオーブンにとってはベストでした。
40分だと空洞ができます。

*断面に大きな空洞ができているのはなぜか。
1、メレンゲの塊が残っていたため。生地が完成しても2~3度すくってみて、塊がないか確認します。
2、空気が入ってしまった可能性もあります。生地の空気抜きをするときは、お箸でくるくるっと2周混ぜるやり方がおすすめです。
3、温かいうちに型から外すと生地が破れて、側面に大きな穴があく場合もあります。

*キメが粗くなるのはなぜか。
1、卵白が冷えていなかった。
2、メレンゲの泡立てすぎ。
などが考えられます。

バターと生クリームの話

2009年03月09日 17時19分46秒 | お菓子作りの美味しい話
私は以前、美味しいバター、高い粉や卵にこだわってお菓子を作っていました。
そして千回近く作りつづけたなかで、色々とわかったことがあります。

*バターを使わなければ、美味しいお菓子を作れないのか。

それは違うと、私は思います。

プレーンなバターケーキやクッキー、バタークリームなど、素材の味直球勝負のお菓子はマーガリンで作ると味気なく、風味に乏しいものになってしまいます。

しかし紅茶や抹茶などの風味豊かな材料を使ったお菓子を作るとしたら。
私は断然、マーガリンを選びます。
バターのコクが抑えられる分、素材の香りが生きてくる。
そして、マーガリンの方が若干生地が柔らかく仕上がります。
私はこの生地の質感・・ふわっとしていて、軽やかな食べ心地をとても気に入っています。

チョコレートのバターケーキを作る時、チョコの味と香りをはっきり出したいから、バターの風味は少し抑えたいな。・・という時は、バターとマーガリンを半々に配合するなど、バランスを考えて作ると、より自分好みのお菓子が作れると思います。


*生クリームも、動物性が美味しいのか。

これは、バターよりはっきり感じる風味の差があります。
デコレーションケーキに使うクリームは、植物性ではあまりにもコクがないです。

しかし、デザートにレシピとして組み込まれている分は、好みによって植物性を使えます。私は抹茶プリンや杏仁豆腐など、あっさり仕上げたいお菓子には植物性を愛用しています。
今日はリッチな味のお菓子を食べたい!今日はあっさりしたお菓子のほうがいいな。そんなふうに体調と気分にあわせて作ればよいと思います。

*濃度について
乳脂肪40%程度のものが一般的ですが、生チョコレートを作るときは、高脂肪のものを使うと分離しやすくなるので避けます。
低脂肪の生クリームは、なかなか泡立ちません。ホイップしてもしっかり固くならないのが特徴です。