すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

約束

2020-09-18 08:17:33 | つぶやき
 イタリアの二十世紀の大詩人ジュゼッペ・ウンガレッティの中に、次のような短い詩を見つけた

  夕べの始まり

 命は虚ろになって
 透き徹って昇ってゆく
 太陽に縁取りされた
 あふれる雲の塊のなかへ

 たぶん、一昨日ぼくが文末で書いたのと同じような光景を目にしている。そして、あの時のぼくの思いと一部分で重なる。ウンガレッティのほうがはるかに簡潔・的確で、比べるのはおこがましいのだが、うれしくなったので紹介してみた。
 そして、ぼくは一昨日の文を書き足してみた。

 低い黒い雲の底から見上げる空は
 切れ間だけが青い淵になって
 すでに遠い西の山脈に沈んだ太陽が
 最後の光で雲の頂きを薔薇色に染めている
 
 走り去る列車からぼくが見上げている空を
 今この時に 何人が見ているだろう?
 その人たちは気付くだろうか?

 薔薇色の輝きはたちまち失われて
 すでにぼくたちを覆い始めている闇が
 登って行ってあの雲を空全体を覆い
 救済の約束を見えなくするだろう

 この瞬間に空を見上げた
 何人かだけに与えられた
 啓示

 高みにあこがれるものだけが
 希望という恩寵を受け取ることができる

 ぼくはそれを 都会に帰り着いた後も
 愛する者に 友に
 伝えることができるだろうか?

 約束はまだ生きていると
 たとえ輝きの消えた後でも
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