すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

山里

2020-09-23 15:03:00 | つぶやき
 水の美しい谷を越えて
 木々の色付く峠を越えて
 寂しい風の吹く峰を越えて
 静かな里に出た
 ここはどこだろう
 夕餉の仕度のあたたかな気配はするが
 子供の姿も大人の姿も犬も見えない
 垣根に白い花が咲いている

 ぼくはいったい
 どこにたどり着いたのだろう
 これは人嫌いの
 貧しい心のぼくが生み出した
 まぼろしの里だろうか

 もう疲れ果てて
 先へ進めそうもない
 少し眠ることにしよう

 ここの社の軒下でしばらく休ませてもらっていたら
 いつの間にかぼくは一本の柿の木にでも
 なっているだろうか
 それとも垣根の白い花の一輪に。
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