2月2日に行われた連合総研(連合総合生活開発研究所)によるシンポジウム『「教員の働き方」と「時間管理のあり方」を問う!』報告の続きです。
前回4日に小・中学校の教員の労働時間は一日平均約13時間と報告しましたが、そうした長時間労働が、教員の生活時間にも大きな影響を与えています。連合総研の調査によると、勤務日の1日平均睡眠時間は、小学校が6時間4分、中学校が6時間3分となっており、労働者全般の7時間4分と比べると1時間も短いことが分かりました。しかし、驚くのは休日の1日平均睡眠時間です。労働者全般が9時間16分なのに対して、小学校7時間25分、中学校6時間52分と2時間もの差に広がります。おそらくこれは土曜日授業や部活動など、休日も学校に出勤する傾向が強くなっていることを示しているのだと思われます。
こうした労働・生活の実態の中で、勤務日1日平均の読書時間は(厳密な比較はできないものの)労働者全般が35分であるのに対して、小学校14分、中学校13分。休日では、労働者全般が1時間9分に対して、小学校42分中学校32分と差が広がります。教員は、ワーク・ライフ・バランスが大きく崩れ、勤務日はおろか休日でも仕事の占める比重が大きいことが分かります。
負担を感じる業務については、「保護者・地域からの要望等への対応」が小・中ともに80%を超えて一位となっており、二位も小・中ともに「国や教育委員会からの調査対応」となりました。三位は、小学校が「成績一覧表・通知表の作成」となり、中学校では「児童・生徒の問題行動への対応」でした。「他の職員・スタッフに移行すべき業務」では、小・中いずれも一位が「学校徴収金未納者への対応」で、二位が「国や教育委員会からの調査対応」でした。
連合総研は「教員の健康悪化や資質向上の機会不足を招き、教育の質の低下につながる恐れがある」として、長時間労働の改善を求めています。今回は「速報」の報告でしたが、今後さらに分析、検討が行われ、答申と提言が出されることになります