東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

「障ハラ」もたくさんある!

2016年02月08日 | 日記

 子どもに「障害」があると、どこか気がひけて、学校に対しても遠慮しがちになる。学校から何かを言われるとその通りにしなければ申し訳ないような気持ちにさせられる人も多いと思う。だから、「付き添いをお願いします」などと言われると、そうしないと学校に入れさせてもらえないような気持ちになったり、子どもが学校でひどい目にあうのではないかと心配になったりして、「はい、わかりました。」と答えてしまう親も多いと思う。
 しかし、どこの法律をみても入学や学校生活の条件に「親の付き添い」などということは書いてない。子どもの権利条約を見ても障害者権利条約を見ても、全く反対で、子どもに必要なことは行政の責任において(合理的配慮)しなければいけないことになっている。(そんなことはありえないはずなのだが)仮に何かの事情で親に付き添いを頼む場合でも、「本来学校でやるぺきところ充分にできずに申し訳ありません。」と親にあやまって「お願い」するぺきところなのだ。
 それを何を勘違いしているのか、障害児は親に面倒を見させるべき、とか、普通学級に入りたいなら親もリスクを負え、とぱかりに上からものを言う学校、教委がいまだに後をたたない。
 すべての親に付き添いを要求するならまだしも。「障害」児の親にのみ付き添いを要求するのは、「障害」を理由としているのだから障害による差別になる。
 にもかかわらず、付き添っている親に対してさらに学校は追い打ちをかける。
 あるとき、親が体調が悪くて「今日は付き添えません」と学校に連絡したら、管理職が「それなら子どもを休ませてください」と言つたという話がある。事情があって学校に来られない子どもがいたら先生が迎えに行ってでも子どもが学校に来られるようにするのが先生の役目だと私は思っていた。まさに子どもの教育権を奪うこの管理職の発言は、憲法違反そのもの、親に対してのハラスメントだ。こう言われた母親はショックでしばらく立ち上がれなかったという。
 この学校では、「子どもがゆっくりなので、親が見ていなかったら危険じゃないですか」「付き添いは学校の
 今は、女性の容姿についてのひとことでもハラスメントとして注意が喚起され、教委もそういう通知を各学校に出しているのに、これだけ親を傷つける障害者ハラスメントについては何も触れていないのはどこか間違っている。障害者には何を言ってもいいということではないはずだ。
 ここにあげたのはほんの一例で、全国連絡会にくる相談ではもっとひどい発言が次々と報告されている。ハラスメントはいまや30種類もあるとどこかに書いてあったが、「障害者ハラスメント」という言葉はなかった。「障ハラ」がハラスメントにならないことが、差別の現実なのかと思う。「障害」者には何を言ってもいいという考えがまだ多くの人の間にあるということだ。
(むらさきししぶ)


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