東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

自由な学びを取り戻すために・「君が代」裁判

2012年12月26日 | インポート
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 卒入学式の「君が代」不起立等で処分された、東京教組の10人の仲間の東京高裁判決(10/25)が出され、Yさんの再雇用取り消し裁判高裁判決(10/18)と併せて報告集会(10/25)が行われました。裁判の傍聴にも報告集会にも多くの参加者が集まり、関心の高さをうかがわせました。
 報告集会では、2つの裁判について、原告からの報告と、弁護団から判決についての詳しい説明がありました。
 Yさんの裁判は、不起立処分の取消と非常勤教員としての地位確認、損害賠償を求めるものでしたが、残念ながら控訴棄却の不当判決でした。昨年3月に戒告処分を裁量権逸脱・濫用として都教委の処分を取り消す判決を出した裁判長でしたが、今年の1月16日に最高裁が戒告処分を容認したことを受けて、これに追随する判決を出しました。
 10人の原告団の控訴審では、最高裁判決で出された反対意見をもとに、戒告を始めいかなる処分も不当であることと、Nさんに対して過去の処分歴を加算することの不当性を強く主張してきました。結果はMさんKさんの減給処分が取り消されたのは成果(勝訴)でしたが、9人の戒告やNさんの減給・停職の部分が棄却される(敗訴)という、不当な分断判決でした。特に問題なのは、減給以上の処分が妥当でないとしているにもかかわらず、Nさんの減給・停職を取り消していないことです。これも1月16日の「10・23通達および校長の職務命令は思想・良心の自由を侵すものでなく合憲、戒告は妥当、減給以上の処分は過去における処分歴を加算されたNを除き違法」という最高裁判決をそのままなぞったものです。法の番人であるはずの裁判所で、政治的な意図が感じられる分断判決が出されたことについては怒りを禁じえません。
 報告集会では「最高裁判決が基準になってしまうので、最高裁判決を変えるために闘わなければならない」と決意が語られ、どちらの裁判も最高裁に上告しています。
 学校に、管理・強制ではなく、自由な学びを取り戻すためにも、求める会裁判は重要です。今後も裁判の動向に関心を持ち、支援・協力するようお願いいたします。
(都庁27階教育庁から見た夕焼けに富士山のシルエット)