東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

ラジオのこころ・小沢昭一

2012年12月11日 | インポート
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 10日、小沢昭一さんが亡くなった。日本の芸能をこよなく愛し、掘り起こした小沢さん。猿まわしが今に残るのも彼の功績である。その小沢さんのライフワークといえば、TBSラジオの「小沢昭一の小沢昭一的こころ」。それが、最近、本で出版された。「ラジオのこころ」(文芸春秋)。いやー、実に楽しく読みました、と言うか聞きましたよ。文字にまで話芸がしみ込んで、小沢昭一の口調になって読んでしまうほどであり、文字であるがゆえに、読み返して彼の博識にうなってしまうなど二度楽しめる。
 秋葉原といえば、AKB・メイドカフェ・電気街・ラジオ会館・やっちゃば(青果市場)のスイカ賭博。秋葉が原と呼ばれた火よけ地帯に設けられた火除けの神様、秋葉神社。力石群・軍神広瀬中佐の銅像(杉野を従えた像)があった万世橋、と秋葉原の一話だけでこれだけの話題が満載。
 おっぱいの話では、母乳は血液が変化した理想的な食べ物。川島四郎さん(栄養学)から聞いた、赤ちゃんはハイハイで虫を食べ、大きくなって狩りで肉、獲物のないときは草木の実。老いて、卵や貝、海藻、それぞれその年代にふさわしい食物を摂るようにできている。歯は、野菜用の門歯2本、肉を噛み切る犬歯1本、穀物、豆をすりつぶす臼歯5本、つまり野菜2、肉1、穀物5の割合が理想的。などのうんちくを披露する。缶詰のはじまりはナポレオンや、禅寺の防風保温具だった暖簾(のれん・あたたかすだれ)の話など絶妙。一読をお薦めする。