ローイング(ボート競技)の小説として紹介されていたので調べてみたら図書館に有ったので予約して借りてきた。
実物を見てびっくり。ボロボロで読んでるうちに壊れそう。図書館の人も驚いていた。
タイトルは横書きで左から読むようになっていて、「青春の書 3」とある。
奥付を見ると昭和21年11月5日、出版社は鎌倉文庫。ちょっと調べたら遠藤周作がいた出版社らしい。
読みはじめたら旧仮名遣いどころか活字も旧字体で読めないので、折角だけど青空文庫で読むことに。
内容はロサンゼルスオリンピックにエイトの選手として出場する主人公が、ロスに向かう船の中で女子選手に一目ぼれするところから始まる物語。
船の中の様子、アメリカでの様子が描かれているけれど、肝心のレースの場面はほんのわずか。
並んだ、剣橋(ケンブリッジ)クルウのオォルの泡あわが、スタアト・ダッシュ力漕三十本の終らないうちに、段々小さくなり、はては消えてゆく。敵の身体からだがみえていたのは、本当に、スタアト、五六本の間で、忽たちまち、グイグイッとなにかに引張られているような、強烈な引きで彼等かれらの身体は、ぼくの眼の前から、消えてゆき、あとには、山のように盛もりあがった白い水泡みなわがくるくる廻まわりながら、残っている。それも束つかの間ま、薄青うすあおい渦紋かもんにかわり、消えてしまった。
私がはじめて強いチームと一緒になった時、まさにこんな感じだったことを思い出した。
で、肝心のストーリの方は・・・、とにかく歴史を感じました。
1946.11.5
鎌倉文庫