toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「犬がいた季節」 伊吹有喜

2020年10月26日 | 読書日記
伊吹有喜には外れが無い、けれど大当たりも無い。その中ではこれは大当たりに近いかも。

犬を飼っている高校での出来事を描いた連作短編集。
物語の中心が犬なのは第一話だけで、その後の話では犬は脇役になる。

最後にそれまでの各物語での主人公たちが勢ぞろいするという、この手の本では良く有る展開。
ただ、ここの部分を含めて、「感動させてやろう」感がいっぱい。
それと犬が死ぬ場面がきれいすぎる。
この2点が大当たりにならない減点部分。


第三話は阪神大震災関連の話。個人的にこの話題には弱い。そのうえその後の展開も悲しい。
この中では一番良かった。

第一話の時代、共通一次になってから国立大学は一校しか受験できなくなってたはずだから、2校合格したっていうのはおかしいんじゃないのかな?
それに名古屋大学(と思われる大学。明記されていないけど・・・)に受かっているのに、それを蹴って早稲田行くかな。。。

第二話は犬とは全く関係ない話でここに入れるにはちょっと違和感が・・。





双葉社



追記

共通一次ですが、1987年からの3年3回は、毎年変更が加えられる変遷期でした。受験生は共通一次試験の結果を基に、二次試験の日程別にグループ分けされた全国の国公立大学および産業医科大学の中から最大3校(3学科)を志願して二次試験を最大3回受験することができるという大学受験制度でした。
小説の舞台である89年は「前期日程に合格し入学手続きした者は後期日程を受験できない」制度だったので、2校合格は有りあえるけれど、後期を受けた時点で合格していた前期校にへ行けないってことだから、やっぱりそこに悩む余地はないから小説はおかしい。
87,88年だったら間違ってなかったのに・・・。
コメント
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