ゆっくりと山登り

登山、写真、その他日々のことなど

立山-薬師岳200707-4

2007-09-04 20:33:27 | 北アルプス
五色ヶ原の朝・・・雨
今日も灰色の世界ですが、
これもまた良しと開き直って、雨具を着て出発。

木道をたどって鳶山へ。
それでも進むにつれて雨は弱まり、少しずつ霧も晴れてきました。
ピークにたどり着くと、そこからは五色が原の全容が見渡せます。
赤い屋根の五色ヶ原山荘の建つなだらかな溶岩台地の西端には
鷲岳が三角形のアクセント。
その先は立山カルデラへざっくりと切れ落ちて、東側とは対照的な荒々しさ。
彼方には立山が雲の中から悠然と現れてきました。





東方に目を向けると、雪を湛える平原の向こうに
うっすらと見える三角形は針ノ木岳でしょうか。




南にはこれから目指す越中沢岳、その右に薬師岳が控えています。



鳶山で暫し展望していると、五色でキャンプしていた
テントの二人組み、そして山荘で同室だった単独行の方が登ってきました。
お互いに記念写真を撮り合い、越中沢乗越へと下りに入ります。
トウヤクリンドウやシャクナゲの咲く斜面を急降下、
一旦森林限界の下にもぐり、
再び越中沢岳へと、緩やかに登り始めます。





暫しハイマツの斜面を快適に登っていくと、最後は岩場となって
越中沢岳の頂上にたどり着きます。

山頂の先は切れ落ちて、深い谷間には雲が満ちています。
雲海という言葉そのままに、
リアス式海岸のように
ピークが島を、尾根と谷が海岸線を形作っていました。






そしてその先に、
北アルプス随一の巨峰薬師岳。
その山頂から長大な尾根を伸ばして
深い樹林に埋もれたスゴ乗越へと根を下ろしています。




稜線の途中には今夜の宿、スゴ乗越小屋の小さな赤い屋根。

山頂で休んでいると、五色からの縦走者が次々と到着。
ここから太郎兵衛平までは一本道。
目指すところを同じくする面々が、
これからのルートを視線でたどり、
未だ遠い薬師の山頂へと思いを馳せる。

ここからスゴ乗越まで、スゴノ頭をはさんで600mの急降下。
パーティーが次々と出発。意を決して雲海の下に飛び込むように。
私もそれに続きます。

雨上がりのいやらしい岩場を慎重に下る。
このあたりが中間点にあたるのか、
スゴ乗越から逆ルートの人たちとロープを譲り合いながらすれ違う。


一旦鞍部となり、スゴノ頭までひと登り、
山頂の北西をまくようにして、さらに下り道が続く。
ふと傍らに、雷鳥。見事な保護色。



そろそろ膝が笑い出すころ、こじんまりとしたスゴ乗越に着く。
いい加減下った後の登りはうんざり。
所々雨にぬかるんだ道をたどり、
ようやくスゴ乗越小屋に到着。



先着していたのは、薬師沢で釣りをするのが目的という二人組み、
大きな荷物の半分は釣り道具だそう。
そしててきぱきとして山なれた感じの若いご夫婦。

カレーうどんで昼食。
その後も東京から来たお二人組み、
神戸の若い単独行さん
長崎の三人組、
そして五色で同室の単独行さんなどなど続々到着。

それでも団体さんで込んでいたという昨夜に比べ
スゴ乗越小屋はゆったりと泊れそうです。

小屋の手前のテント場には、小さな湿原がありますが
そこに面白いものがあると聞いていってみると・・・



ミズバショウが咲いていました。
こんなところで、こんな季節に出会うとは。


夕方には雨も一服し、霧が晴れてきました。
皆小屋の前にたたずみ、変わりゆく景色を
味わっています。

眼前に越中沢岳がどっしりとそびえています。
北面のゆったりとした様相とは対照的な姿です。





どうやら長かった梅雨も明けようとしています。
次の朝は、待ち望んでいた空が広がっていました。




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