ゆっくりと山登り

登山、写真、その他日々のことなど

谷川連峰主脈+馬蹄形 2014年6月 その4

2014-06-21 20:04:16 | 上信越地方の山

2014年6月16日

蓬峠にて朝を迎える。

この山行もいよいよ最終日。今日は馬蹄形縦走路を時計回りにぐるりと辿り

七ツ小屋山、朝日岳、白毛門に登って土合に下山の予定です。

朝日岳は二回目ですが、前回は曇天で展望がなく少々さびしい山行になってしまいました。

今日は上々の天気でスタートできそう。

あの素敵な雲上の庭園で眺める景色が楽しみ。

 

 

 

お隣の若者のテントはまだ寝息が聞こえる。

朝ご飯のカニ雑炊と豚バラ大根缶詰を食べ、ツエルトをたたんで出発。

七ツ小屋山までは、笹原の稜線が続きます。

 

シシゴヤノ頭に続く謙信ゆかりの道、5年前にあの尾根を登った時はガスの中だった。

 

遠くにかすんで見えるのは米山らしい、右手さらに遠方は佐渡島だろうか。

 

朝の未だ涼しい風を受けて快適な稜線歩き。

ただ今回の山行、東に向かって歩く場面がほとんどで太陽がまぶしく

サングラスなしではおられません。

そのせいでスキーシーズンのような焼け方をしてしまった。

 

 

小さな湿原の木道を超えれば七ツ小屋山はもうすぐです。

 

大源太山、豪快な岩稜が迫ってきました。

あちらも五年前に霧に包まれた岩場を登りました。

 

七ツ小屋山頂

 

振り返れば谷川岳に向かってS字型にのびる稜線。

 

茂倉岳の右手には、昨日越えてきた主脈縦走路

万太郎山、エビス大黒の頭、さらに仙ノ倉山、平標山と続く。

 

北西には越後湯沢の街並み

 

山頂を離れ東へ

清水峠へ進んでいく

まだ雪田に覆われた道もあります。

 

 

七ツ小屋から清水峠の間も、笹原の開けた道ですが、

ところどころ崩壊箇所がありました。

 

この辺りですれ違った人が4名ほど

いずれの方も白崩避難小屋に泊まって、私とは逆方向に馬蹄形をたどるそうです。

 

次第に谷川岳東面の荒々しい姿が見えてきました。

 

大源太山も尖った三角形から形を変えています。

 

白崩避難小屋に到着

 

小屋の裏手に鳥居と祠

背後には巻機山が見えます。

 

さてここからはジャンクションピークまで標高差500m

ビスケットを補給し登りに備える。

この近辺にはイワカガミが群生しています。

 

鉄塔を超えて進むとカエルの鳴き声

小さな池が彼らにとっての楽園

 

灌木の中と笹原が交互に現れる尾根道

ジャンクションピークが見えてきました。

そろそろ照りつける日差しが身に染みる時間。

周囲の景色を眺めて息を整えながら少しずつ高度を上げていきます。

 

 

 

北側に崩れた箇所をいくつか超え、

尾根の傾斜が緩くなって目指すピークが近づいてきました。

 

そして巻機山への分岐の標識が立つジャンクションへ 

ここから先もう大きな登りはありません。

 

朝日岳山頂に向かって緩やかな道が続く。

ここで前方からソロの男性とすれ違う。

今日白毛門から登ってきた人との最初の遭遇です。

 

雪田と草原が広がるゆったりとした稜線の先に

岩が一段高く積みあがった朝日岳の山頂が見えてきました。

 

背後に越後の山々

 

左手には尾瀬の山々

 

そして上州武尊山

 

私が最初に朝日岳に登ってみたいと思ったのは6年前の6月、

あの武尊の山頂からの風景がきっかけ

その時の上越の山々はとても美しく見えました。

 

2008年6月15日撮影  武尊山頂より朝日岳

 

ようやくあの時とは反対に朝日岳から武尊山を見ることができました。

 

朝日岳山頂です。

この山頂も独り占め、贅沢の極み

 

ここでの楽しみはもう一つ

 

ホソバヒナウスユキソウがあちこちに群落を作っています。

今年も可憐な花が出迎えてくれました。

 

規律良く三角形に編隊を組んでいる株

 

チングルマも

 

苗場山

 

花と展望を味わったあとは

烏帽子を経て笠ヶ岳へ

 

だいぶ気温が上がってきました。

大したアップダウンがあるコースでもないのですが、なかなかペースが上がりません。

 

近くに雪渓があるところでは、雪を削って手拭いを冷やし頭や首筋に充てる。

少々体をふらつかせながら進んでいきます。

調子が出ないのは腹がへっているせい?

羊羹やドライフルーツを取りながら歩くが調子が出ない。

 

 

 

笠ヶ岳の手前の草原でごろりと転がり、水をたっぷりと補給するとふっと体が軽くなった。

危ない危ない、こまめに水分を取っていたつもりでも

汗かきの自分には不足していたようです。

ついでにアミノバイタルゼリーを補給。

 

何とか笠ヶ岳まで来ました。

なんだかんだと疲労はたまってきているし足も痛くなってきたけれど、

最後のピーク白毛門まではもうすぐ。

 

 

谷川岳も正面に荒々しい姿を見せている。

 

 

朝日岳

時折雲が流れてくるようになってきた。

 

笠ヶ岳を下って、も一度登って白毛門山頂

長い縦走路もいよいよ終了を迎えました。

 

 

大烏帽子、笠ヶ岳

あのあたりを歩いているときはつらかったなぁ。

 

 

白毛門ではソロの男性が一人休憩中。

前橋にお住まいで、この周辺の山には登りに来ているそうです。

こんないい山が近くて気軽に登れるなんて羨ましい。

ついでに下山後の温泉のことなどお聞きしました。

一応ネットであたりをつけていたのですが、ちょうどそれがお勧めに上がったので一安心。

はやく三日間の汗を流したい!

 

15:31の列車に乗ろうとしていて、十分余裕を持ったスケジュールだったのですが、

朝日岳から笠ヶ岳までで時間を使いすぎていました。

まだまだコースタイム的には余裕がありますが、

これからの急降下もいつものようなペースで降りられないかもしれない。

ペースに注意しながら下り始める。

 

最初は岩場交じりの険しい道

右手にはマチガ沢、一ノ倉沢の険しい岩壁が望める。

 

やっぱり今日は足の裏が痛く、いつもの下りのペースが出ません。

適宜休み休み降りていきます。

 

日が陰ってきました。

暑い一日で、上空も不安定になっているようです。

夕立が来ないうちに下れれば良いのですが。

 

森に入ってしばらくしたところで休んでいると

先ほどの前橋の男性が追いついてきました。

さすがに何度も登っておられるだけにしっかりした足取りとペースで進んでいきます。

その時ぱらぱらと木の葉がなる音。

雨が落ちてきたようです。

これはすぐにやみましたが、いつ本格的な雨になるかわかりません。

私もグズグズはしていられないと、ラストスパート

 

白毛門の急な尾根道が終わりました。

 

そして土合の駅に到着!

前橋の男性もほぼ同時に。

 

まさにその瞬間でした、「ザー」と大粒の雨が降ってきたのは。

二人して思わず笑ってしまいました。

 

まだ電車の時間には余裕がありました。

駅の構内で汗を拭いて、列車を待ちます。

 

水上で乗り換えて

私は教えていただいた温泉を目当てに 上牧で下車。

 

上牧温泉風和の湯はここから歩いて5分ほど

施設は空いていてゆったりと湯につかることができました。

身も心もすっきりしたところで、今度は喉をすっきりさせねば。

湯上りのビールのうまかったことと言ったら・・・

 

そして再び駅へ戻る。

駅のすぐそばのお店で帰りの電車で飲むビールとおつまみを仕入れる。

そしてあとはのんびり帰るだけ

 

主脈と馬蹄形縦走路、谷川連峰の主要部を歩きとおすことができて心地よい満足感。

昨年三国峠から大源太まで歩いたので三国峠~白毛門までがつながりました。

あとは稲包山かな?苗場山もコースを変えて登ってみたいし、佐武流山も・・・

くたくたに疲れたけれど、地図を眺めているとまた歩きたいコースが浮かんできます。

 

 

おしまい