朝日新聞の連載小説「また会う日まで」が2020年8月から始まっています。
第14章 東京から笠岡へ
が10月1日から10月31日まで30回の連載で終わった。
「こんなものが空から降ってきました」、アメリカ軍が捲いた一枚の伝単すなわちビラ。
表には聖路加病院の写真と「米国より日本への賜物」という文字があり、写真の隅には
「東京市築地聖路可病院」と書いてある。東京はもう市ではなく都であるし、聖路加の
加の字が違っている。裏の本文を読むと「賜物」は贈り物の意らしい。
「聖路加病院には爆弾は落とさないと言っているようだが、そんなことができるのですか?」
「できるらしい」、「ここを壊す、ここを焼く、と決めたらそれを実現できる技術がある。
爆撃機には照準器というものがあって、事前に用意した地図と照らし合わせて目的の場所に
投下する。爆弾は真下に落ちるわけではない。飛んでいる飛行機の惰性があるからずっと
前に放出しなければならない。それができるのだよ」
☆空襲についての記述がありました。