富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

高校の再編は、詰めの段階にきた。

2017年06月27日 | Weblog

見苦しいほど、人口の減少を食い止める策にのめり込んでいる。ところが、高校の再編を考える時、私立高校は、全国市場に生徒を求め、募集する。ところが、富山の県立高校では、自家培養しか考えられない。この点では、富山第一、高岡第一の方が、まだ優秀である。

富山県の出身者で、日本の一流企業に勤務し、海外でビジネス展開している人材の多くは、子供を「帰国子女」とするか、それとも国内の高校の寄宿制のあるところに教育を委ねるのか?また、海外で中学3年まで学び、高校から日本の高校で学ばせる早期帰国という選択肢もある。

日本の公立高校で、進学を扱う週刊誌の特集でも、富山県立中部高校は、評価されている。通学可能圏に、英語を主体として、国語もきちんと教えられる寄宿型の塾があると、「帰国子女」の高校への早期帰国を促せる。数学・理科の塾も可能である。こうした高校生のお世話ができる塾を傘下にもつと、富山県の高校生の総数は増やせる。

これは、退職した元教員の協力がいる。海外で暮らす日本人の子女が、日本人として、せめて高校時代から、伝統的な日本スクールである富山県立高校の教育システムを活用しない手はない。これが、過疎の進む南砺市にある県立高校にも応用可能な高校生の増加策である。

募集方法は簡単。丸の内界隈の企業の人事・総務のかたは、海外要員の子女の教育問題には、丁寧に情報を流しているからだ。「富山県の教育」という信用のブランドを活かすことだ。片山学園では、無理。事態は、詰めの段階にきた。まず、中位学力層に注目し、南砺から始めるべきだ。また、中部には、帰国子女を多く受け入れ、彼らの英語力を活用し、定員枠を下位高校に譲ることだ。

再編を考える前に、高校生を呼び込むことだ。教育委員会は、知事に見習い海外セールスに力をいれることだ。教員は、海外の日本人学校を訪問することだ。すると、曽祖父が富山人という縁者が見つかる。市会議員も、全国に展開し、高校生を集めるセールスをすることだ。それに失敗したら、富山県という枠組みは崩壊する。2060年には確実にエンディングが来る。

 


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狭義の観光を主義とするなら、全員がおバカになる。

2017年06月27日 | Weblog

日本で、観光業界において、The Economics of Tourism という原書を読んでいる人は極めて少ない。経営学の前提条件として、観光経済学を基礎から勉強しなくてはならない。ツボは、山川出版社から提供した富山近代史研究会編『歴史と観光』に寄稿してある。需要と供給とが価格をシグナルとして均衡するワルラス理論が基本となる。こうした観光経済学のアカデミックな教育機関は、ほとんどない。しかも、観光経済学を伝統的な大学では、主戦場とは考えられてこなかった。

航空機が、時間コストを革命的に短縮し、利用料金は、世界の中産階級の下層にまで広げた。これに自国通貨と訪問国の通貨との価格変動が伴うので、個人の買う土産物が訪問国の消費市場にしめる意味がまるで変ってきた。いわゆる爆買いは、経済学の範疇を広げることを求めている。ところが、日本では、1930年代の古典的な経済学が独り歩きし、マクロ、ミクロの両面で、観光を国民経済学の基本形に組み込んでこなかった。それどころか、古典であるアダム・スミス「諸国民の富」の翻訳と解説に大きなミスがあることも克服されていない。日本の経済学の不毛性は、科学性よりも思想性が優位になりやすい学問観を克服できていないからである。

これは、孔子の思想と深く関係する。経済学の目的は、福祉であるというアダム・スミスの読み解きは、僕もはまりこんだロジックのワナである。孔子の思想の延長で、経済学を読み解くからである。そうではなく、市場と分業との相関の構造の高度化、そこに国民総生産に最大化により、完全雇用と一人当たりの国民総生産高を最大化する鍵があると読み解くことである。中国の古典では、孔子に先立つ管子である。「衣食を足りて礼節を知る」という基本は、孔子も否定しない。

さて、日本人の大学院生は、博士課程で修行するのを避けている。待遇、身分保障など、悪条件が多いが、実は、世界の学術の先端との距離があまりに遠くなり、日本の学術博士という課程博士の水準では及ばないからだ。だから、観光経済学という国民経済学の基本命題も深まらない。結局は、世界の経済学の垣根の外で、C級の学者にD級の学生、院生が学ぶと、バカが2乗、3乗になる。それが、メディアにも、自治体にも伝染し、イベント主義が横行する。救い難い、基本形からの拡散の悲劇が進んでいる。

 

 

 


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