TMA講師代表:学力限界ほど、リーダーの壁となりやすい。例えば、発田聡さんのTOEIC800点突破講座では、受講生から、shouldを使うよりも、had better to RV のほうが、上から目線ではなく、やさしい助言となるのではないか、という質問があった。しかし、外資系の人事部の経験が豊富な発田さんは、I think you should とか、I suppose you should の方が、命令口調を和らげるヘッジ表現となり、自分はhad better to不定詞を避けてきた、と人事の役員としての経験を語られた。なぜか、日本の英語教育界では、had better to RV のほうが、上から目線ではなく、やさしい助言と信じられてきたのか?それは、日本国には英語官僚がおり、どこかで英語の和製化が権威の力で生まれたことを意味している。「・・・した方が良い」と「するできだ」という訳された日本語の語感、それは漢文の読み方を英文解釈という不思議な作業に改めた伝統思考に縛られているからである。漢語の「可」は、「べし」と訓読され、そこに横すべりしてshouldが置き換えられる。「・・・した方が良い」は、丁寧な助言だから、「可=ベシ」よりは弱い、このような明治の学者の思い込みが、富山人の英語の壁に繋がっている。高岡高校で学んだ発田さんは、ついにTOEFLで高得点、シカゴ大学でMBAの学位を得る。富山離れを遂げられた。
実は、地方自治体の首長、地方議会の議員におかれては、英語に堪能である事例は少ない。小池百合子さんは、芦屋という阪神間で教育を受けている。その英語教育のルーツは、パルモア学院にあり、現在は、関西学院大学に発展している。阪神間の英語教師は、関西学院大学の英語教育の流れに属している。僕は、shouldは神の意思の代弁と教わった。I think you should・・・が、巧みなヘッジ表現だと理解できる。
富山県の英語は、東京大学英文科に起源する漢文の思考を英語に横滑りさせたものである。だから、東京大学の英語が内部革新されても、漢文の読解のルーツは残されている。僕は、パルモア学院で習ったのは、神の言葉としての英語の統語である。WillもShallも、常に神の意思にかなうかどうか考えよ、と。兵庫県庁、神戸新聞社、神戸市役所・・・関西学院大学の卒業生が多い。キリスト教の英語教育が生きてる町、それが神戸である。非常勤講師として、西宮の上ヶ原の教壇では、随分多くのことを学んだ。学生は、英語をスッキリとした神の言葉の統語として学んでいるからすごい。イングランド銀行の役割を離したら、翌週の講義には、ロンドンに行ってイングランド銀行の歴史のパンフレットをもってきてくれた学生がいた。小池百合子さんの行動力は、彼女だけではない、阪神間、それも阪急沿線の文化に根ざしている。タイトルを「地方自治体の首長の学力限界」としたのは、小池さんのルーツを紹介したいからだ。他意はない。しかも、小池新党には与しない。関西学院大学の上には、神戸大学という商学を基本とする経営学の伝統がある。僕は後者だから、小池新党の底割れも想定する。それが、「地方自治体の首長の学力限界」と題した第2の理由である。