ドクダミの花が目立つようになった。薄暗い環境の中に白い花を群落を作って咲かせているのは地味だけれど見事だ。中学生の頃は夏休みの課題でドクダミやゲンノショウコを採集し乾燥させて学校に持ち寄ったものだ。教材費にでも当てていたのだろうか。
お隣の国では「ドクダミのサラダ」が一般的らしい。旅行記のテレビで見た記憶があるが、こんなに臭いのをサラダで食べるなど「エーッ!」と言う思いだ。かの国のドクダミは種類が違うのだろうか。
この時期、日向にはオカトラノオの白い花穂が目立つ。不思議に思うのは季節の折々に花の色はある一定の傾向を示すように感じることだ。単なる偏見かもしれないが、個人的には否定できない。
『ゆらゆらとゲンジは昇る音も無き暗闇の沢一人立ちたる』
『芒として茂みに霞む山里にわずかに灯るゲンジボタルは』
『まさしくも蛍光なりし手のひらの生命線をゲンジは浮かす』
『高齢の施設の住人固まりて吐息だしつつ蛍を見やる』