東寺骨董市（ガラクタ市）

東寺の骨董市といえば毎月２１日に行われる弘法さんが有名ですが、月初めの第一日曜日にも骨董市、通称「ガラクタ市」という市が立ちます。実は先月も足を運んだのですが、行く時間が遅すぎて店をたたみはじめているところだったので十分に観ることが出来ませんでした。それを踏まえて今回は朝から出撃。どの店がどこに店を出すのか決まっているらしく、先月とだいたい同じところに同じ店が出ているように思えました。年末だから一番たくさん店が出ると聞いていましたが、先月より若干多いくらいでしょうか。

ガラクタ市とはよく言ったもので本当にガラクタと思えるものから何万もする高級品まで色々なものが集まっています。中にはどこかの古い家の住人が亡くなって身寄りが無いのでそこにあるものをそのままトラックに積んで持ってきているんじゃないかというようなものがあります。店によって商品を整然と並べているところと、車から降ろしただけで雑然と置いてあるところがありますが、こういう市では「おっちゃん本気で売る気あるの？」っていうくらいただ雑然と置いてある店のほうが不思議と魅力的に映るものなんです。まあなんというか宝探し的感覚が味わえるというのか、どこに何があるか解らない状態のなかから自分で探し当てたという感覚が持てるほうが買い物をしていても充実感が味わえるような気がするんだと思います。

正直、こういうところで買い物をすると騙されて吹っかけられるんじゃないかという不安はありましたが、今回は何か買って帰ると心に決めていました。もし買うなら前回行ったとき気になっていた根付か壜かな。壜は欲しいと思う物が無かったのですが愛宕山で拾った物と同じ物がこんな値段で売られているのかというのがあったり、何の壜かわからないものがラベルつきで売られていて、なるほどこの壜の中身はそれだったのかということが判ったり結構勉強になります。

で、今回買ったのは根付。根付とは何かというと江戸中期頃に流行した精巧な彫刻が施された滑り止め具。昭和の初め頃まで作られていたので、根付に関しては全く無知なので今回購入した物がいつのものかわかりません。店主に聞いてもわからないとのこと。材質は黄楊かカリンだそうです。

根付の彫刻のテーマはわりと縁起をかついだものが多く、店主に勧められたのは３本足の蛙の彫り物。店主曰く「３本足だと動けないということでお金が出て行かないということ」らしいが、個人的にお金は溜まるより動いたほうが思うので聞き流して、次に勧められたこの写真で言うと右側のネズミが袋引っ張っているやつ。これも何か縁起を担いでいるんだと思いますが聞き忘れました。これは材が香木らしく、店主に聞いても何の木かわからないけれども他の物より上等で値段が高いものだけれども同じ値段でいいというので、おお、それはお徳かもという貧乏根性で決めてしまう自分がいやですが購入決定。匂いを嗅いでみてもいいというので嗅がせてもらったら確かにいい香りで香木に間違いないみたいです。おそらく黒檀の可能性が高いと思います。　一つ２千円ということでしたが、隣の龍と合わせて３千円に値切りました。まあこれが高い買い物か安い買い物かわかりませんが、こういう駆け引きを楽しむのも市の良いところではないかと思います。さてこれをどうするか・・・携帯を持ってればストラップとかにすればいいのですが。鞄にでもぶら下げるかな。