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今日の筆洗

2019年11月24日 | Weblog

 「三平方の定理」の発見者というピタゴラスは博学の人だった。人の怒りの行方についてもこの人のものとされる言葉が伝わる。「怒りは無謀をもって始まり、後悔をもって終わる」▼古代ギリシャの哲人の警句のように、怒りで始まった事態が、とうとう深い後悔の段階に至ってしまった。そう思っていたら、刻限の数時間前という土壇場で一転、回避である。日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)の失効は避けられた。韓国文在寅政権の決定に、ほっとさせられる▼日本の輸出規制強化への怒りに端を発している問題である。韓国内に日本への強硬な世論があるとはいえ、安全保障にかかわる協定を対抗策として持ち出したのがそもそも無謀だっただろう。ミサイルを撃ち続ける北朝鮮は、日米韓の連携を揺さぶるかのようである。中国、ロシアの動きも不穏だ▼協定停止となれば、こうした国を大いに喜ばせることになった。韓国はもちろん、韓国を翻意させられなかった日本も米国も、後悔は避けられなかったはずである▼失効はひとまず避けられたが、発端となった韓国内の怒りが消えたわけではない。元徴用工をめぐる対立も残っていて、関係回復はこれからの取り組みにかかる▼いつまた「無謀」が息を吹き返すか。懸念はくすぶる。後悔に行き着く「定理」をよみがえらせてはならないだろう。

 
 

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