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今日の筆洗

2023年12月22日 | Weblog
ダイハツ工業が2011年に発売した低燃費、低価格の軽自動車「ミラ イース」は当たった。担当者らの苦労話が18年発行の社史にある▼09年の東京モーターショーに出した、技術の方向を表す展示用コンセプトカーが基。社員の一人が語る。「モーターショーで当時の社長が壇上で『これはコンセプトカーで、2~3年後に見直して売ります』と宣言したのです。われわれはその話をその場で初めて聞いて驚くのと同時に、すぐに見直しをしなければならないと思ったのです」。短期での開発は成功した▼ダイハツの車の性能や強度の試験で虚偽記載などの不正が横行し、社は国内外で生産する全車種の出荷を停止した。第三者委員会の調査によると「ミラ イース」の成功体験から社が短期開発にこだわったことが現場の時間的余裕を奪い、不正の一因になったらしい▼できぬことをできぬと言えぬ組織風土。幹部の責任は重いが、不正をした社員は街でダイハツ車を見かけるたび罪悪感に苛(さいな)まれたのだろうか。あるいは「大したことない」と自らに言い聞かせ、やがて何も感じなくなったか▼社史では、当時の会長が従業員は組織の歯車ではないと唱えていた。「会社が『ヒトの体』だとしたら、従業員一人ひとりは『細胞』だと思っています。『細胞』が元気でないと、やがて体は病気になる」▼再生への道の険しさを思う。
 
 

 


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