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今日の筆洗

2019年12月08日 | Weblog

 「なんだって、あんなやつと一緒になってンだい」。そう聞かれたおかみさん、「だってさぶいンだもん」。おなじみ、古今亭志ん生の「厩(うまや)火事」のまくら。見込みのない男だろうと一緒にいれば、冬の晩でも身も心も温かい。笑いとともにしみじみとした夫婦の情愛が伝わってくる▼娘の美濃部美津子さんが『おしまいの噺(はなし)』に貧しい時代の寒さしのぎ策を書いていた。すきま風が入ってくる寒い家だが、火鉢は使わぬ。火にくべた炭を三つほど入れた台に布団をかけて「みんなであたるの。もう体くっつけあって」。あの「さぶいンだもん」につながる▼原因は未婚化の加速。そう聞けば、温め合えず、「さぶい」ままの若者たちが浮かぶ。厚労省によると二〇一九年に生まれた赤ちゃんの数が一八九九年の統計開始から初めて九十万人を割り込むことが確実になったという▼ベビーブームの一九四七年から四九年の出生数は二百六十万人台。それがついには九十万人にも届かぬ。深刻さが分かる▼社会保障制度が維持できぬと若い人に文句を言うのはお門違いである。結婚したくてもできない。そういう経済、社会状況をこしらえ、解決策を見つけられなかったのは彼らではない▼「令和」を待って結婚する風潮があったとうわさに聞く。さすれば、来年あたりの出生数も少しはと期待したくなるが、日本の「さぶい」は厳しい。