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オリジナル水辺ノ世界の作品を掲載

マジダ

2015年03月24日 | イラスト


マジダ

南一族
T.B.1992年生まれ
身長:これから伸び盛り・A型

タロウの所にちょこちょこ遊びに来る
南一族の少女

年の割に口達者

「タロウとマジダ」登場時は9歳

弟が2人居る

「タロウとマジダ」2

2015年03月24日 | T.B.2001年

「ねぇ、マジダ」

今日も遊びに来た同じ村の子供に
タロウは言う。

「いつも遊びに来ているけれど
 ちゃんとお父さん達に話してから来ている?」

タロウとは彼の本名ではない。
マジダがつけたあだ名だ。

「来ているけど、なんで?」
「なんでってね。
 あのさ、あんまり知らない人の家に
 遊びに来ていたら危ないよ」

なんせ、世間ではそんな恐ろしい事件も数多い。
あと自分が変態だわ~とか、疑われるのも、
ちょっと、いや、かなり困る。

「だって、タロウは知らない人じゃないもの」

言い切るマジダに、彼は少し嬉しくなる。
この子にとってここが
気の休まる所になっているのだろうか。

「だってあなたの素性は知れているもの」

「うん?」

「病院のタカシ先生の親戚にあたる人、よね」
「あぁ、お父さんから聞いたのかな?」
「一家で北一族の村に移民していたものの
 1人、そこの華やかな生活が性に合わず」
「……ん、んん?」
「恋は破れ、想いは届かず。
 かと思えば、思わぬ病にかかり、長い闘病生活。
 病は克服したものの、抱いていた夢も叶わず」
「盛ってる、盛ってる!!?」
「ここに自分の居場所はない、と
 故郷であるこの南一族の村に帰ってきた
 ―――と!!」

「……」
「……」

「すごく、詳しいね、マジダ」
「近所のうわさ好きのおばさんが言っていたわ!!」
「……ほう」
「ちなみに、さらに3割増しの盛り具合だった」
「えぇ……まじで?」
「マジよ!!」

それは、それは。

「マジダがそれを知っているという事は
 もう、村中に広まっているなぁ、その話」

「かもね。
 まぁ、噂好きではあるけど
 私にとってはやさしいおばさんよ」

でも、とマジダは楽しそうにタロウを見る。

「タロウは気を付けておかないと、
 今度会った時には今の年収と生活水準と、彼女が居るのか、とか
 聞かれると思う」

「ありがとう、気を付けます」


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