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去る4月21日、改正プロバイダ責任制限法が参院本会議にて成立しました。
この改正の概要は次の二点です。
1 権利侵害情報に関して、プロバイダが情報の削除を行った場合・行わなかった場合の
それぞれについて、プロバイダの損害賠償責任の免責要件を規定しています。
これ関しての第3条の概要は
被害者がプロバイダに削除を申し出た時、削除した場合(1項)削除しなかった場合
(2項)についてれぞれが規定されています。
2 権利侵害情報に関して、プロバイダの保有する発信者の情報の開示を請求できる権利
を規定しています。
これ関しての第4条は
被害者が発信者の情報開示請求をする場合(1項)とプロバイダが発信者の意思確認
した場合(2項)および意思確認を受けた発信者(3項)プロバイダが開示に応じな
かった場合(4項)に規定されています。
(総務省HP掲載)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/ihoyugai.html
第3条1項に関しては書き方が特殊ですが、要はプロバイダが権利侵害を知っていたか
知ることが出来ると認めるに足る相当の理由がある時、削除に応じなくてはいけません。
第3条2項に関しては、権利侵害を信じるに足る理由があるか、又は発信者に連絡して
7日以内に反論がない場合、削除することが出来ます。
第4条1項は、被害者が侵害情報の流通によって権利侵害を受けたことが明らかであり
開示を受ける正当な理由がある時、開示請求ができると規定しています。この時プロバイ
ダが開示しなければ(4項)裁判所へ開示請求の訴えを起こさなければなりません。
2項では開示請求を受けたプロバイダは情報発信者へ通告すること、3項では発信者が
通告を受けた情報についてみだりに使用してはならない事が規定されています。
4項では故意か重過失でプロバイダが開示に応じなかった場合の被害者の損害に関して
免責されないと規定されています。
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上記の総務省HPで条文と概要が閲覧できますので、関心がおありでしたらご覧になって
ください。
ニュース等で触れられていますが、この法律の改正では裁判手続きが簡略化され、裁判
費用や日数の短縮も図られているという事でした。改正以前は二回の裁判手続きに40万円
かかったそうで、しかも1年を要した為スピーディーな対応は望むべくもなく、開示請求
は一般的には非現実的な対応と言えたのです。
費用や日数が半分になったとはいっても、まだ中々難しい道のりであり、一般の人たち
にはかなりの覚悟と必要性が無ければ取れない手段だとは言えます。
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一方で警察側もこの手のネット書き込みによる被害に関して、積極的に対応している様
で、被害者が本名でなく通称で攻撃されている場合でも摘発に動く等の対応を見せている
ようです。
こうした動きに、プロバイダー側も座して見ている訳にはいかず自ら自主規制を始める
ところもあるようです。ただし、改正プロバイダ責任制限法の施行は来年秋までを目指し
ているという事で、それまでの移行期間のネット内での動きに注目したいところです。
私個人の意見としては、ネットが一般に普及して20余年となるのに未だにこの程度の
事も法整備していなかったのかと思う事しきりなのですが、これも健全なネット環境構築
への必要な一歩なのでしょう。
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