●艦載機
- 航空戦艦に搭載する艦載機を考えました。
と言っても、日本機で自由に考える猶予はほとんどないので、烈風がベースになっています。
主な改良点は脚構造と主翼の折りたたみ機構です。
両主脚間の間隔を狭くして折りたたんだ時の幅を狭くすると同時に、脚の長さを長くして
大直径化されたプロペラのために地上高を高く取るというのが、この当時の艦載機に求め
られた技術的特徴でもあります。
●主脚/主翼折りたたみアイディア
- 日本機の主翼折りたたみは脚のすぐ外側で主翼を上へヒンジで曲げると言う物です。
この方式ですと主翼の幅は半分くらいにできますが、それ以上に狭めようとすると、
特別な方法が必要になります。
そこで、折り紙のように斜めに曲げれば、幅はいくらか短縮できるはずです。
それに従い、主脚を二つ折りにして格納しようと考えたものです。
- 日本機は伝統的に脚間の広い機体を使ってきたのでそれを狭く描くと違和感
があります。米国の艦載機は胴体から直接脚を出しているので、それに似た
印象になってしまうようです。
●カタパルト
旧大日本帝国海軍の艦ではカタパルトの搭載を積極的に行い、水上偵察機の運用
を行ってきました。しかし空母での通常機のカタパルト射出は研究レベルであったと
言われています。
しかし、航空戦艦「伊勢」「日向」のカタパルトは装備方法の特徴から通常機の運用
をしていたと推測されます。
その方法はおそらく上のようなものではなかったかと思われます。
滑走台の支柱が「倒れる」とありますがこれは後部の支点を高くすることで廃止できる
でしょう。
滑走台車による射出は水上機ではあたりまえのように行われており、水中空母と
言われた伊ー400潜でも同様に双フロート機を運用、場合によってはフロート無しでの
射出も想定されていました。そこで、通常機の射出もそれに準じた方式となっていた
考えられます。
「伊勢」「日向」では当初艦爆「彗星」の運用を予定していたそうなので、おそらく右図
のように脚を格納して射出したと思われます。
ただし、図のように増槽を付けると射出時に擦る恐れもあったので工夫が必要です。
● 航空戦艦 能登
- 仮称「能登」としました。
能登地方は加賀地方と対になって石川県を形成する地域です。「加賀」は戦艦の名称
として使用され、後に空母となりました。石川県の地の名称が使われた理由として、
かの地が明治期から技術立国を目指していたことに起因していると思われます。
明治新政府要員が薩摩・長州の人員で占められる中、旧加賀藩では技術人の育成
に力を入れ、建艦技師を多く輩出しました。有名な藤本喜久雄技官もその出生であり
私は石川県立工業高等学校に在籍していたことから若干の因縁を感じています。
「能登」は四連装主砲塔二基を前方に配置し、後部は二段の発進飛行甲板になっています。
中央は斜め着艦甲板であり、状況によっては発進にも使用されます。
そのため上段の飛行甲板は長さを最大限に取るため艦尾いっぱいまで延長しました。
四連装主砲塔は口径40cmで二門ずつ同軸になっていて同時に俯仰します。こうすることで
砲塔の幅をいくらか狭く設計できるそうでフランス艦「ダンケルク」にその前例があります。
艦載機の種類については、艦爆・艦攻もありますが、それは次の機会にしましょう。