ガングリフォン・アライドストライクでコクピットスクリーンのラフを描きました。
当時、ロボット物のゲームが3タイトル程出ており、それらをスタッフは意識して
いました。 残念ながら時間の制約で、各AWGSごとにスクリーンを描くことは
出来ず、また担当氏の配慮でテクモ側スタッフに最終的なモデリングはまかされ
ました。
● レティクル
まず、スクリーンに表示されるターゲットフレームを描きました。
弾道表示は担当氏も欲しいと言った表示の一つでしたが、ゲームのハードの
制約等で砲弾が弾道を描く事は出来ない事が分りオミットされます。
● コクピット・ビュー 3案
スクリーンと手前のメカ部分との面積比率を変えて、三案を描いて送りました。
その後、担当氏はそれをもってテクモ側と打ち合わせし、次の絵が描かれます。
最初の案では透明スクリーンやホログラフィックなどが多いですが、もっと
現実の兵器らしさを出すために、あえてメカ部分を増やして行きました。
そうは言っても、現実の兵器ではアニメ風のメカだけでは機能が果たせないので
アナログな部分も残ってデジタルな部分と同居しているものです。当時はそのあたり
の兼ね合いがむずかしい時期でもありました。
● コクピット・ビュー 改稿
結局、打ち合わせの後このくらいの比率が良かろうと言う事になりました。
実際にゲームをしてみると、マップ表示と残弾・ダメージくらいしか表示を
見ることはなく、リアルな標準操作でレティクルが微妙に動く等はあまり
関りのないゲームであったと記憶しております。
これをベースにテクモ側で実際のゲームで使う機能に合わせ、計器など
を付け加えてデザインがなされました。
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K-MACSの三面図を探したのですが、下書きしか出て来ませんで、
見つかったら掲載する事にいたします。図面に1/72スケールと書かれて
いますが、あれを元に簡易モデルを作るためにスケールを割り出した事
を思い出しました。
スチロールなどのカッターで簡単に切れる材料を使い、つまようじを刺して
パーツを可動にしてポーズをつけたり、戦車等と比較してみたのです。
担当氏は当初から過去のAWGSの大きさに不満を感じており、それも
含めた世界観などを前作から一線を引きたいと表明していました。戦車に対
して12式は大きすぎるから、小さくするべきと言い、私も賛同しました。
図面から逆算してみると、K-MACSの高さは8m弱(頭頂)で、図面の
対比人物が不正確だとわかります。20式はこれよりやや高く、Mi-57は
さらに大きくなります。
一日で作られたK-MACSの簡易モデルはその後韓国スタッフの元へ
渡されました。当初はむこうのスタッフがAWGSをデザインすると言っていま
したが、早い時期に取り下げられました。実現していたらどうなったかは
未知数です。