T.N.T.-SHOW

メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

A-MAX ブラック・フット 2

2008-01-13 22:46:26 | 設定画

  ●HIGH-MAX 初期ラフ

 A-MAXは、最初は新ガンガングリフォンとして考えてデザインされていました。

実際に仕事を契約する前からアイディアをまとめに入り、完成度を高める努力を

していますが、これは多くの仕事の場合、普通に行うプロセスです。

 日付は2001年6月13日とあります。

Hightmax_2

  •  

 ● HIGH-MAX 構造図

 大体の形を考えるため、内部構造やブロックの組み立てをラフでメモ

して行きます。プロポーションやイメージから入る場合もありますが、

ガングリフォンの場合、実際の兵器のリアルさを反映した緻密さが求め

られていましたので、このような手順を踏んだのです。

 エンジンとリフト・ファンを中心としたフレームが全体を持ち上げるように

強固な構造を持っていると言うアイディアと、コクピットが円筒形の脱出

モジュールになっていると言うアイディアが、このメカの骨子になりました。

ただし、それがゲーム中で反映されるかどうかは、この段階では判りません。

可能な限り世界観を膨らませておき、打ち合わせの段階で妥協したり削除

したりする事を覚悟しておくのです。

Highmax

Hightmax_3

  •  

 ● HIGH-MAX 第四ラフ

 一通り細部のアイディアを出すと、それをプロポーションに反映させ、

見た目の統一をはかります。見た目のちぐはぐさを解消するのが目的

ですが、この段階で新しいアイディアが加算される場合もあります。

 この場合、主翼の折りたたみ機構や顔の造形、排気管の形などが

加わり、全体に重量感が強調されています。

 このラフの前にも、何点かのラフを描いています。

Hightmax_4

  •  

 ● HIGH-MAX 第五ラフ

 さらに10点ほどのラフの後、ステルス・デザインを徹底させて、

飛行形態に見合った軽快さをデザインに取り入れるべく思案します。

この段階で、ようやく先代のガングリフォンと肩を並べるレべルに目処

が立ち、クリンナップに入る事となりました。

 このように、非常な労力を注ぎ込んで完成したデザインですが、

どこから情報が漏れたか、某アニメに類似したデザインが出てしまい

ゲームの制作期間の長さも手伝って、後塵を拝する結果となったのです。

Hightmax_5

  •   

  このゲーム自体が不評で、このデザインは半ば抹殺される形で忘れ去られました。

私にようやく巡って来た主役級のデザインワークでありながら、評価もほとんどなく、

このような結果となったのは、誠に無念でありました。