*これは実現性が高そうであるが、ネプリライシンという分解酵素の取り出しは簡単なのだろうか、
*実験画像では、単に予防だけではなく、治癒効果が見える、
*直近のCTスキャンの結果では、脳のチジミ現象が進行しているという医師の見解であったが、チジミでは効用はない?
認知症予防、将来は注射で? =遺伝子治療、マウスで成功―理研・長崎大など
時事通信 3月18日(月)19時55分配信
理化学研究所と長崎大などの研究チームは、アルツハイマー病のマウスの血管内に、遺伝子の運び屋ウイルス(ベクター)を投与し、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβたんぱく(Aβ)を分解する遺伝子を脳内で働かせることに成功した。一部の脳神経疾患の遺伝子治療では、手術などで脳内に直接ベクターを注入する方法が取られていたが、この方法は比較的簡単に、広範囲に遺伝子を注入できるため、将来はアルツハイマー病の「予防接種」の実現につながる可能性があるという。
論文は18日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載される。
アルツハイマー病は、脳内にAβが蓄積することで起きるとされる。通常は、ネプリライシンというAβの分解酵素が働いて蓄積を防ぐが、加齢とともに同酵素を生み出す遺伝子の働きが低下するため、予防には同遺伝子を活性化する必要がある。
理研の西道隆臣シニアチームリーダーと長崎大の岩田修永教授らは、脳以外の血管に投与しても脳内に入り、脳内だけで治療用遺伝子を働かせるベクターを開発。このベクターにネプリライシンの遺伝子を組み込み、アルツハイマー病を発症させたマウスの血管に投与した。
その結果、投与した遺伝子は脳内だけで働き、ネプリライシンを作り出す一方、脳以外の器官で働いていないことを確認。脳内のAβも未投与のマウスに比べ約3割減少したほか、学習・記憶能力も正常マウス並みに回復した。
研究チームには自治医科大、放射線医学総合研究所などの研究者も参加している。
ネプリライシン遺伝子導入前後
ネプリライシン
疎水性アミノ酸残基のアミノ末端側でペプチド結合を切断する膜貫通型のメタロエンドペプチダーゼ。エンケファリナーゼ、中性エンドペプチダーゼ24.11とも呼ばれる。2005年、理研脳科学総合研究センターが発見した。 脳ではアミロイドβペプチドの分解のほか、エンケファリン、サブスタンス Pやタキキニン類の神経ペプチドに作用し、痛覚や神経の伝達を制御すると考えられている。末梢組織では心房性ナトリウム利尿ペプチドやブラジキニンに作用して、血圧や炎症反応を調節する。
*【参考】『理研ニュース』2004年6月号(研究最前線)「アルツハイマー病の根本的な治療薬をつくる」