カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

クワモンペ

2013年01月18日 | 兵庫
「クァモン・ペ」

此の御店の名前というのは、意味不明ながらもやはりフレンチ・テイストに「クァモン・ペ」とでも読むべきなのだろうか、いや、外でもないピザ屋なのだから発音もイタリアンであるべきなのか、いずれにせよ、気付いてしまえば鍬とモンペをもじったものにしか聞こえない、其れはあえて言うまでもない。

ところで果たしてモンペという存在が何処まで世の中に通じる衣類であるのか、其処のところもまた疑問ではあるのだが、其れは兎も角、其の店名に相応しく、篠山の市街地からは程遠い田園地帯、そんな立地に辿り着かんが為に、ナビのない車、しかも地図なしで到着しようという目論見、其れ自体が甘かった。

事前にうろ覚えした地名を示す其の信号を南に折れて幾らか車を走らせてはみるものの、其れらしい施設は辺りに見当たらず、仕方なく幹線にまで戻って再び別の交差点を曲がってみたりもするけれど、やはり其処には辿り着けない。

諦めて、控えておいた其の番号に電話し、曲がるべき交差点を御店の人に教えてもらってみると、どうやらやはり最初の角で正解だったようで、もう少し自分の勘を信じて我慢して走っていれば、其の店は折り返してしまった地点のすぐ先だったのではあるけれど、やはり到着してみたところで山の入り口であるとしか思えない其の立地というのは、来る人がおよそ諦めてしまう、そんな絶妙の地点である、其れはきっと誰しもにとって。

だが、そんな場処にもかかわらず連日大人気であると評判の此の御店、そこそこ新しいこともあって寂れた風情など欠片もなく、まるでカラフルなアトラクションの国のような其の建物の印象というのは、実際如何にもファミリー向けであるかのようでいて、しかし入り口の扉の張り紙には、行儀の悪いお子様は入店ご遠慮くださいとの表示があり、其の凛とした経営姿勢、此の建物にして其の潔さは其の時点で少々感嘆の念さえ抱かせる。

そしてその本気度合いというのは勿論のこと料理にも現れていて、所謂大衆向けの無難なピザではなく、風味も素材も真面目で本格的な其の出来に、誰しもがわざわざ来てよかったと満足し、納得させられること請け合いである。

クワトロフォルマッジのブルーチーズ、其の容赦ない風味と塩気はおよそ抱いていた期待、其れ以上で、ちょっと万人向けとは思えない強い味覚であり、そして、サービス・メニュウ、マルゲリータのトマト・ペーストでさえ、幾分かの水分を感じさせる其の瑞々しさである。

更に特筆すべきは其の生地で、物足りないともしょっぱ過ぎるとも感じさせない其の塩加減というのは、これぞまさに絶妙な塩梅と言っていい、そんなさり気ない程好さを当然のように誇示している。

釜焼き特有の疎らな焦げも、其処にはっきりとした香ばしさを加味していて、幾らか食べ進んでもありがちな味の単調さを感じさせない、風味のトリックを思わせる貴重な存在感を見せている。

給仕の彼女もこの店にとてもマッチした素朴な雰囲気で、非常に気の利く其の立ち居振る舞い、此の立地にして其の人気、然もありなんと納得させられた、そんな次第である。

クワモンペピザ / 篠山市その他)
夜総合点★★★★ 4.0



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