カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

上島珈琲店 寺町店

2012年04月08日 | 京都
「ラム・・・ボゥル。」

この上島珈琲店のコーヒーカップ、カトラリー、そしてその椅子の多くは、あの柳宗理の作であるということらしい。
確かに、当たり障りなく非常に落ち着いた雰囲気の、それでいて気取り過ぎない程好い居心地の良さがそこにはある。
文句なくそのような心持ちになれる空間であり、眺めの好い坪庭までそこにはあるのだ。

流石、缶コーヒーの販売まで手掛けるUCCの展開する店舗だけあって、その辺りのイメージ戦略、プロデュースに関して抜かりはない。

例えばその完成度という点において言えば、注文したミルク紅茶には、当然のようにミルクと糖分が予めブレンドされており、それを客が自分の裁量よって適当に注ぎ足したのでは、在るかなしかのこのあまりにも控えめな甘さというのは、決して出すことができないであろう、そこはかとなくそう納得させられる雰囲気がある。

しかしである、3月24日(土)に新発売したとアナウンスされている、この「ジャマイカンラムボール」という称する商品は、果たしてどうなのであろうか。
あまりにもこれに似た商品というのが、ごく近くの老舗で根強い人気であるからといって、ここまで過度に似せ過ぎた、このような商品を開発するということに関し、あらゆる面において問題意識というものはないのであろうか。

あえてそれを比較するならば、おそらくは食べ切りやすいようにと小さくなったその球体の印象というのは、決してロック(岩)ではなくボール(球)であり、そのラムを滲み込ませた生地というのは、既にスポンジ状であるともいえない、それ程に、ひたすら粘り気ばかりの物体と化している。
おそらくは、食べ易く、より密度が濃い、つまり、他店における先発よりも、多少の改良がなされている、そういう意識ではあるのだろう。

そしてそれを、いかにも世間を知った、したり顔で、企業努力とのたまう、そんな人物もいるのだろう。
だが、問題は、そんなところにあるのでは、決してない。
そこには、矜持というものがない、敬意というものもない。

良識だの良心だのと言うつもりなど、まったくない。
ただそれは、プライド、つまりは自己存在、その意義に関しての問題でしかない。

それがどういうことなのか重々わかっていながらにして、素知らぬ顔で近隣の先人を蹴落とす、そんな類の行為でしかないこの仕業、決してこのような志を褒めてはいけない。

上島珈琲店 寺町店喫茶店 / 京都市役所前駅三条駅三条京阪駅



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