カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

桃花春

2012年08月19日 | 京都
「とろりと、甘い。」

如何にも甘い煮物を炊きそうな、ほっこりとした風情の年配の女性が、
そんな己の仕業は棚に上げ、思わず、これはまた甘いラーメンやナァ、

とでも言いそうな、そんな姿が眼に浮かぶかのような、この甘いスープ。

おおよそ甘い料理というものは、
老若男女、その多くの支持を得るのが通例であるが、

実際その甘さは大衆性を超え、既に特殊な領域にある、
そう感じさせる、それ程に甘いスープ。

背油がとても強く、ニンニクも半端ない、
だがその甘さは、それだけのことではない、

相対的に見て、ことラーメンのスープとしては、
これまでのどのラーメンよりも甘いと感じさせるそのスープ。

しんどいことばかりがじりじりと押し寄せてくる、そんな人生、
その最中で追い詰められつつある壮年の男性が、

ひと息ついて啜ったラーメンの、そのスープの甘さによって、
心中、静かに渦巻いていた何かを誘発され、

人目を憚りつつ、その場で思わず涙してしまったというような、
そんな姿が眼に浮かぶかのような、この甘いスープ。

だが、その人の背負うものによっては、
賛否いずれとも言い難いそのスープと比べると、

この麺は、おおよそ大概、誰にだろうと文句は言わせない、

そんな完成された風情さえ見受けられぬでもない、
がっしりとした、食べ応えのある、そんな麺。

むぐむぐ、うむうむと、納得しつつ咀嚼して、物思いから覚め、
ふと気が付けば、もう直ぐに腹いっぱい、

そんな趣の、この麺なのである。

念の為、率直に、ありのままを言うならば、これは、
批評でも考察でも何でもなく、ただの連想にしか過ぎません。

桃花春ラーメン / 宇多野駅鳴滝駅御室仁和寺駅
昼総合点★★★☆☆ 3.5



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