ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

中都会の片隅で活動する8~10人組コーラスグループ、ザ☆シュビドゥヴァーズの日常。
あと告知とか色々。

約束CD音源の裏側でシュビメンがスタンドを使う話

2019-03-05 18:56:54 | hork(KJ)
こんばんは。KJです。

このブログを読んでいる方の中で、自分で自分たちの演奏を録音したことがある、という方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。

マイクを立てる場合でもICレコーダーでも実際に録音した事のある人はわかると思いますが、再生時に録音前の無音部分から録音部分に切り替わる瞬間、どうしても「何もなかった所に突然空気の音が入る」様な違和感が発生する事があります。この僅かに入ってくる「シー……」という音はマイクの特性と空間の広さ・壁の材質による響きの影響、また、古くはテープの接触ノイズであったり、雑音とすら言えない僅かな音を拾っていたり、実に様々な要因によって発生しています。

シュビでは約束の音源を収録した時に、この問題に対する実験を繰り返していました。というのも、このノイズは約束の様な語りかける曲調で、かつ静けさの表現を求められるものである場合より顕著に目立ってくるからです。
結果としてCD音源では、各所で切り貼り編集している歌声が自然に馴染む様、無音状態の「空間(部屋)の音」を録音して重ねる、という加工を施しています。
これは一般的にも、特に状況の読めない外部施設でレコーディングを行う際に行われる手法です。

当時、収録に使ったのはとある市民施設の地下にある音楽練習室でした。
部屋の性質としては比較的これらのノイズが発生しにくい空間だったものの、「約束」はかなり気合の乗った作品。
万全を期して「なにもない音」を録っておこうという事になりました。
この場合、普通であれば全員部屋から退去して一定時間録音を回し、しばらくしたら戻って来ればそれで事足ります。
しかしその時シュビメンが取った選択は全員部屋に残って音を立てず息を殺し、ポーズを取り、録音開始から終了まで微動だにせずジョジョ立ちの姿勢で耐えるという謎めいたものでした。この時期にして既にニンジャアトモスフィアに脳をやられていたとしか思えません。

静まりかえる地下音楽室。数十秒のサンプル部分。徐々に立ち込める熱気。スタンドを纏い彫像と化したままひしめくシュビメンバー。

あの少しのミスすら許されない、張り詰めた緊張感は今でも忘れられません。部屋には監視カメラがついていましたが管理人さんにどう思われてたかとか考えたくもない。

CDを普通に流しているだけではまず気づきませんが、ヘッドホン等で狙って聴いていれば少し生っぽい空間の音が入って居るのを感じ取ることが出来ます。他の音源ではここまで多用していない手法なので、比べてみるとわかるかもしれません。

シュビの約束CDをお持ちの皆様は是非、静かなパートでも耳を済ましてみてください。歌っていないくても、そこに存在するのは無数の気配。ジョジョ立ちの熱気とオーラがそこかしこに感じられるはずです。普通に怖いですね。知りたくなかったかもしれませんがもう遅いです。あなたはもう囲まれています。

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