ごきげんようでござる!
最前線で戦う戦士だけが持て囃され人気が出るのは当然でござるが、世の中目立つ人たちを寄り目立たせる立役者がいなければ、主役は目立たないものでござる。
しかし、主役が目立たず脇役同士が個性を出しまくる準主役級が織り成す群集劇は、見る立場により見方が変わる作品でござるな。
絶対主役キャラが存在しないトランスフォーマーこそ、群集劇の典型的作品であり、「主人公はキミが選べ!」の如く、TVアニメと玩具の良好な作品なのでござるよな。
そう、トランスフォーマーは「最初に玩具が有き!」でござるから、TVアニメは玩具の遊び方(バックストーリー)の一例を紹介しているのに過ぎないでござる!
今宵は1997年展開の「超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズ」より、サイ(アフリカクロサイ)に変身するサイバトロン陸上防衛戦士、ライノックス(C-7、ライノックス、1500円)の紹介でござる!
本品は1996年に米国で販売されたライノックスの外皮及び目の塗装を変更した日本版商品で、国内販売では単品販売と、黒豹に変身するデストロン偽装兵、シャドーパンサー(D-7、シャドーパンサー、1500円)との対決セット(VS-7、荒野の対決、2980円)の2種類が販売されているでござるが、付属のカード及び説明書は単品販売版と同じでござる。
なお、本品はアフリカクロサイがモデルだそうでござるが、頭部形状は大きく異なるだけでなく、何故かCGアニメのイメージとは異なるグレーの塗装に変更されてしまった為に恐竜(?)ぽいイメージになってしまったでござる。
う~む・・・ CGアニメのイメージよりも、日本ではシロサイの方が知名度が高い(?)故に、シロサイぽいカラーリングに変更されたのでござろうか?
ビーストモードでは四肢が可動し、頭部と背中パーツが一体のレバー操作によりサイの口が開閉するのでござるが、本ギミックゆえにサイらしからぬ頭部造形になっているでござる。
なお、武器パーツであるガトリングハンマーやサーベルは分割されて体内に収納されており、商品としては凝った設計でござる。
まあ、体内に収納された武器パーツを組み立ててガトリングガン&ガトリングハンマーとして使用する仕様は、如何にもメカニック知識に優れたライノックスらしい武器なのでござるが・・・
玩具設定では、力(9)、知能(6)、速度(3)、耐久力(9)、階級(5)、勇気(10)、火力(6)、技術(6)の数値であり、劇中のイメージのスペック値とは異なるでござる。
そう、玩具設定ではパワーまかせの一兵士なのでござるよな。
確かに変形方法は玩具に準じており、サイの口を大きく開いて引っくり返るような変形でござるが、ロボットモードが劇中デザインと似ていない・・・
というか、CG作画が玩具に似せていないのでござるよな?
玩具の造形はサイの外皮を纏う事により、鎧武者風のデザインとなるわけでござるが、CG作画では外皮を取り込んだマッチョなデザインでござる。
まあ、玩具デザインと作画デザインの異なる商品は多いものの、「ビーストウォーズ」商品では本品ほどイメージの異なる商品は珍しいでござるな。
更に、玩具オリジナルのビーストマスク(ミュータントヘッド)ギミックのおかげで頭部イメージも異なるでござる。
拙者的には玩具版デザインも良いと思うので、塗装パターンを大幅に変更すれば侍系のキャラクターになりそうでござる。 (笑)
何故に玩具設定とTVアニメ設定で違いが出てきたのか詳しくわからないでござるが、本来であれば副官であるホワイトクロー(C-2、ホワイトクロー、2280円)がアニメ本編に登場しない事で、演出上少数キャラクターによる立ち居地と担当が振り分けられた事による実質的なナンバー2の位置とメカニック担当の要素が付加されたのでござろうな?
まあ、どちらにしろパワフルな戦士であることには変わりなく、劇中でも使用したガトリングハンマーやガトリングガンはレバー操作により回転するギミックを有しているでござる。
が、劇中ではダブルで使用していたりもしたでござるが、本品には一基のみしか付属しないでござる。
しかも、通常通りに左手に保持させるのであれば、劇中のイメージと異なるのでござるよな。
従って、少々違和感があるかもしれないでござるが、逆手に保持して肘を曲げた場合であれば、前から見るとソレらしくなるでござる。
無論、2個所持していればダブルガトリングガンも再現できたりするのでござるよな!
これぞ、TVアニメと連動した遊び方の一例で、「ダブルガトリングガンを再現したくば、もう1個買ってね!」でござるよ。 (笑)
まあ、玩具とTVアニメの連動は大事でござるが、先に玩具ありきの場合は、演出上既存設定や物語を少々変更したり、別ストーリーによる改変も仕方がないでござる。
故に玩具設定とアニメ設定での違いが生じるのでござるよな。
しかし、本来は玩具に重点を置くべきだったはずでござるが、ライノックスの場合は、アニメ版キャラクターが先行してしまい、メタルス商品(C-44、メタルスライノックス、1800円)は販売されるも、劇中には登場せず、人気キャラとして認知されていたのに、最後は敵(BR-06、ビーコンタンカー、1499円)として救われないまま最後をむかえる悲運のビースト戦士となったのでござるよな。
う~む・・・ ライノックスは何処で道を間違えたのでござろうか?
まあ、もしもライノックスがリメイクされるとした場合は、アニメ本編のイメージを十分反映されたうえで、メガサイズくらいの商品で販売されるのではないでござるかな?