定年楽農

第二の人生を農で楽しもう

小説定年楽農38

2018-12-01 17:12:41 | 小説定年楽農

 農事組合長
 暮れに、農事組合長の茂男さんと、副組合長の保夫さんが自宅に来た。
 一郎は嫌な予感がした。
 茂男「来年農事組合長を受けてほしいんだけど」
 一郎は、5年前に副組合長を受けていたので、人材のいない状況など、だいたい事情はわかっていた。
 一郎「こういう役は、一緒にやる人によって、えらく違うので、副組合長には、しっかりした人をお願いします」といって引き受けた。
 農事組合には大きな問題があった。
 我が村は、昭和17年に周辺町と合併して、市制となったが、その際、村の土地があった。
 その土地は、昔、はやり病で、一族が絶えた世帯の土地を、村民多数の名義で、村の土地として利用していた。
 市制と共に、一部は市所有となったが、一部に村民多数の名義のまま、農事組合が利用する土地として残した。
 名義が多数のうちはいいが、名義人の死亡により、1人かけ、2人かけ、最後は、名義人は1人や2人になっていた。
 こうなると、名義人を減らすわけにはいかず、相続でつなぐしかなくなってくる。
 相続となると、権利者全員が押印した遺産分割協議書が必要となる。
 その時の説明証拠として、「この土地の名義は○○さん達になっているが、真の所有は、農事組合ですよ」という公正証書作って対応していた。
 しかし、核家族化が進み、先々を考えると、相続の権利者全員の押印をもらうのに困難な場合も想定される。
コメント
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