定年楽農

第二の人生を農で楽しもう

小説定年楽農33

2018-10-21 21:20:46 | 小説定年楽農


コンバインの廃棄
 10月末、稲刈りは終わったが、コンバインの回転音が気になり、JAの整備工場に診てもらうことにした。
一郎「刈っている時、時々回転音が不規則になり、気になるので、診てもらいたいのですが」
JA「今は、混んでいるので、手がすいたら持ちに行きます」
このコンバインは、父親が購入していたもので、すでに結束機は、故障していたので、藁は採らずに裁断していた。コンバインは、結束機といい、輪転機といい、送り込みチェーンといい、故障が多い気がする。
1週間程してJAが持ちに来た。
その後、JA「コンバインは、輪転機に穴が開いているうえに、購入後14~15年たっており、キャタビラがいつ切れてもおかしくない。たんぼの中でキャタビラが切れると、回収が高くつく。」
そういえば、あまり管理のよくない知り合いのたんぼの稲刈りを頼まれたときに、変な音がした。きっとその時、稲の中に落ちていた金属様なものを巻き込んで輪転機に穴をあけてしまったと思う節がある。
JA「輪転機の修理だけでも30万円以上かかり、それにキャタビラともなれば、新しい機種に更新した方がいいですよ」
一郎「いくらするの」
JA「軽トラに積んだコンテナに、モミを直接送り込める煙突のついたもので、200万円から」
一郎「水田の区画が小さいことから、4条刈りでなくても、2条刈りで小型の物はありませんか」
JA「運転の乗用のものでは、ないねー」
 米価の安い時期に200万円は大きく、中古の機種も考えたが、当たりはずれが大きく不安である。
 50a程度の稲作で、コンバインを持つのも非効率と考え、JAの作業委託にお願いすることにした。
 刈り取りのみの委託料は、10a当たり2万円程度です。
 請負ってくれる人は規模の大きい農家ですが、今の米価では大きい農家ほど経営が厳しく、なかなか委託の受手がいないのですが、JAの斡旋で、なんとか来年からお願いすることができた。
 大きな農家では、機械の償却などから米価は1俵1万5千円は欲しいようですが、今年は1俵1万円を割るようです。
 地域の小規模な農家は、兼業であり、稲作を止めたいのですが、隣の水田に迷惑がかからないようにするには、米を作付けするのが一番簡単で、やむなく稲を作付けているのです。
 これでは、米価が下がっても米の作付けは減らず、機械装備をした生産性の高い大規模農家から離農が始まりそうです。
EUは、WTOの時に、農産物は、輸出補助金を廃止し、所得補償に切り変えました。
結局は農家に補助していることで、大して変わらないと思うのですが、WTOでは黄色の政策だとして、ぼやかす一方で、無理やり押し切りました。
我が国も、我々極小規模の農家は切り捨てても、所得補償を導入し、大規模農家、しいては食糧を守るべきです。

コメント
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