定年楽農

第二の人生を農で楽しもう

小説定年楽農41 

2018-12-03 20:48:41 | 小説定年楽農

近くにスーパーマーケットが開業 
 一郎の自宅は、進行中の区画整理事業の中にあり、近くにスーパーマーケットが開業することとなった。
 一方、やわた旬鮮では、これまで品ぞろえのために、多品目の野菜を栽培、販売してきた。
 しかし、野菜はそれぞれに季節や栽培技術が異なり、多品目では、栽培管理が大変であった。
 したがって、いい野菜や、十分な量の販売が計画通りに進まなかった。
 近くにスーパーマーケットができることにより、品ぞろえをやめ、品目を絞ることにした。
 シュンギク、ナス、キュウリ、ピーマン、タマネギは、旬の時はスーパーでも安い。所得が低くても家計に影響の少ない兼業農家も市場に多く出荷している。
 キャベツ、ハクサイは、一個100円では安く、200円では高く、売りにくい。
 バレイショ、ショウガは、 種芋が高く、その割に収量が少ない。
 コッマツナは、食習慣がなく、あまり売れない。
 サツマイモは、食材としての用途が限られ、あまり売れない。
 結局残ったのは、黒大豆、ブロッコリー、碧南鮮紅五寸人参、サトイモ、ネギ、ホウレンソウを重点的に栽培することとした。
 スーパーができたおかげで、お客さんは、やわた旬鮮に寄って、足りない野菜をスーパーで買ってもらえればいい。

小説定年楽農41-2
土づくり
 多品目の野菜の栽培の弊害の他に、スーパーとは違いの分かる品質とする必要があり、よく言われている土づくりが重要だ。
 一郎は、自宅から3km離れている肉牛農家の牛糞堆肥の舞人販売から、牛の餌の空いた紙袋に自分でつめて、1袋100円を料金箱に入れてくる。

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小説定年楽農40

2018-12-03 07:32:18 | 小説定年楽農
 

 九条ネギ
 4月の始め、一郎は、昭子にせがまれて、京都の桜を見に行くことになりました。
 一郎「せっかくだから、1泊して九条ネギの産地にも行ってみたい」
 昭子「いいよ」
 一郎は、googleマップの航空写真を見て、京都市南区でネギ畑とみられる圃場をチェックした。
 近鉄京都線の上鳥羽口の西側の住宅地の中に畑がばらばらある。徒歩で行ける距離だ。
 早速、上鳥羽駅からチェックした地図を頼りに、歩いていくと、ネギを植え付けている60歳ぐらいの農家に出会った。
 一郎「こんにちは、それは九条ネギですか」
 農家「そうだよ」
 一郎「愛知県で農業をやっているんですが、九条ネギに興味をもっていて、ちょっと話をお伺いしたいと思っているんですけど、いいですか」
 農家「九条ネギといっても、一般に大きい種苗会社から販売している九条ネギとは違うから。ここの九条ネギは、組合を作っていて、特定の種苗会社から仕入れているものだから」
 一郎「その種は、だれでも売ってくれるんですか」
 農家「多分、売ってくれると思うよ。京都の伏見種苗店ていうんだ」
 一郎「出荷はどうしているんですか」
 農家「全て仲介業者を通じて出荷しており、京都では、高島屋百貨店しか売っていなく、後は東京方面にしか出していない」
 農家「でも、昔の九条ネギは、葉の緑が薄く、このネギとは違っていた」
 一郎「その苗は手に入らんでしょうねえ」
 農家「自家用に作っている人はいるとは思うが、ちょっと思い当たらんねえ」
 一郎は、種苗会社の名前は聞いたが、考えてみれば、高島屋百貨店で売られているネギに少しでも根がついていれば、栄養繁殖で十分と思った。
 帰りに早速高島屋百貨店に寄り、一束198円の九条ネギを購入して帰ってきました。
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