近くにスーパーマーケットが開業
一郎の自宅は、進行中の区画整理事業の中にあり、近くにスーパーマーケットが開業することとなった。
一方、やわた旬鮮では、これまで品ぞろえのために、多品目の野菜を栽培、販売してきた。
しかし、野菜はそれぞれに季節や栽培技術が異なり、多品目では、栽培管理が大変であった。
したがって、いい野菜や、十分な量の販売が計画通りに進まなかった。
近くにスーパーマーケットができることにより、品ぞろえをやめ、品目を絞ることにした。
シュンギク、ナス、キュウリ、ピーマン、タマネギは、旬の時はスーパーでも安い。所得が低くても家計に影響の少ない兼業農家も市場に多く出荷している。
キャベツ、ハクサイは、一個100円では安く、200円では高く、売りにくい。
バレイショ、ショウガは、 種芋が高く、その割に収量が少ない。
コッマツナは、食習慣がなく、あまり売れない。
サツマイモは、食材としての用途が限られ、あまり売れない。
結局残ったのは、黒大豆、ブロッコリー、碧南鮮紅五寸人参、サトイモ、ネギ、ホウレンソウを重点的に栽培することとした。
スーパーができたおかげで、お客さんは、やわた旬鮮に寄って、足りない野菜をスーパーで買ってもらえればいい。
小説定年楽農41-2
土づくり
多品目の野菜の栽培の弊害の他に、スーパーとは違いの分かる品質とする必要があり、よく言われている土づくりが重要だ。
一郎は、自宅から3km離れている肉牛農家の牛糞堆肥の舞人販売から、牛の餌の空いた紙袋に自分でつめて、1袋100円を料金箱に入れてくる。