新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

チョムスキーへのインタビュー記事

2020年09月20日 | 日記
  
 チョムスキーについて書くのははじめてかもしれない。ノーム・チョムスキー、言語学者、平和運動家。このたびチョムスキーのインタビュー記事を読む機会があった。ネット上の写真を見て「ずいぶん、じいさんになったなあ」と感慨にふけった。1928年12月生まれだからまもなく92歳になる。
チョムスキーは1957年「Syntactic Structures」を掲げてさっそうとアメリカ言語学会に登場し、彼が提唱する変形生成文法はちょっとした現象を巻き起こした。当時は弱冠28歳のMIT教授だった。MITとはマサチューセッツ工科大学のこと、この大学がボストンにあるエリート校であることなども同時にチョムスキーを通じて知ったのだった。いまこの文法理論はどうなっているのだろうか。
  1970年代初頭のことだった。英語教育法の授業で、山家(やんべ)保という先生が、青い表紙の薄っぺらな冊子を掲げながら、英文法の新理論を英語教育に採りいれることの重要性を熱っぽく説いていたのを記憶している。1950年代の終わり、アメリカでは猫も杓子もチョムスキー、チョムスキーといっていたという。アメリカ言語学会では一世を風靡した人物だった。私も一時期このチョムスキーに振り回されることになった。
 チョムスキーはまたベトナム戦争反対、その後は一般に平和運動、そして社会のひずみを告発する社会活動家としても活動を続ける。いま気候変動による地球の危機を訴える本を書き上げた。言語学の分野での活躍ぶりについて、70年代以後のことはよく知らないが、社会運動についての著作は書店でしばしば見かけてきた。文章自体が難解で読みにくいため、手に取ることさえ敬遠してきたが、今回はインタビュー記事だったので、ネット上からプリントアウトして読んでみた。アメリカの30年代以後の労働運動、日本流にいえば組合活動が社会変革において果たしてきた役割を、ことのほか評価していることは興味深い。一読をお勧めする。Noam Chomsky: There's Reason for Hope インターネット上にあり