新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

学校、9月入学?

2020年05月06日 | 日記

 新しい生活様式を実行できれば、段階的に行動制限を緩和していけると政府が発表した。では学校をどうするか。新しい生活様式として12項目が挙げられている。

参考 
1 人との間隔は極力2メートル開ける。
2 手洗いをしっかりしましょう。
3 換気はこまめにする。
4 誰とどこで会ったかをメモする。
5 食事は横並び。向かい合わない。
6 買い物は、通販や電子決済を利用。
7 公園は、すいた時間を選ぶ。
8 公共交通機関での会話は控えめに。
9 帰省や旅行は控えめに。
10 冠婚葬祭などの大人数での会食を避ける。
11 会議は、オンラインなど。
12 毎朝、家族で体温を測定。

 1の「人と人との距離を2メートルあける」。これは実行できるか。不可。多くの学校で教室には40人の生徒が詰め込まれて授業を受けている。2メートルも間をあけようものなら20人ほどしか入れないのではないか。生徒を半数ずつ登校させて授業するなら、従来の倍の時間を要する。教室数を倍にして教員数を倍にすれば可能だが実用的な解決策ではない。またいま教壇と最前列の生徒との距離は1メートルもない場合があり、教壇でしゃべる教員の飛沫が前列の生徒とその机にとんでいくことは日常茶飯事だ。
 8の「会話は控えめに」について、生徒たちも教員も会話によって互いの関係を築き上げ、維持しているのだから、それをオンラインなどに置き換えることが可能だろうか。9「旅行は控えめに」により、集団旅行の最たるものである遠足と修学旅行は中止、各種研修旅行もできないだろう。11「会議はオンラインで」といっても、各種の委員会活動をオンラインのみでできるだろうか。生徒会本部に生徒会役員が集まることなく、生徒会役員会としての任務が果たせるとは思えない。多くの生徒が楽しみにしている部活動は可能だろうか。文化祭、体育祭はどのような形ならできるのか。
 こう見てくると、9月入学説を話し合おうということ自体が滑稽に見えてくるはずだ。休校期間が長く続くからといって、9月になれば従来の形で授業が再開できる保証など10パーセントもないだろう。9月入学については、いずれきちんと実現を目指して話し合いを俎上に載せるべきだとは思うが、なにもこの時期に、新型コロナウイルスに翻弄されている時期に、そんな悠長なことをしている時間はないだろう。クラスター(集団感染)を発生させないために休校措置をとっているのに、休校をどのような形で解除していくかを差し置いて、9月入学説をもちだす人たちの気が知れない。4月末ごろ全国知事会などで突如浮上し、安倍総理や萩生田文科相も検討する気になっているようだが、まだその熱は冷めていないのだろうか。