韓国の親たちは、子供に「他人を信じるな。常に自分が正しいと思え」と教育します。
激しい競争社会のなかで子供に強く生き抜いて欲しいと思う親心なのでしょう。
しかしこれを裏返せば、「自己を客観的に見て反省する」という観念が身につかなくなるということでもあります。
約束を守れなくても「自分としては最大努力したが、外部要因で果たせなかった」と主張し、決して自分の非を認めません。
ある韓国人が、その理由を「韓国ではプロセス重視であり、結果を出せなくても努力したことのほうに価値がある」と言ってます。
たしかにそうなら、何か失敗しても相手に自分の努力を認めさせることで挽回できます。
もともと「自分は常に正しい」という思いがあるうえに「結果よりもプロセス」となれば、日本人のように「潔く結果責任を取る」なんてありえません。
「自分は最大限努力してきたのだから、うまくいかない原因は外にあるはず」で思考停止となり、客観的な自己分析に至らないのです。
この「自分は常に正しく、問題の原因は外にある」という思考が、物づくりにおいて大きな障害となります。
不良品が出ても「自分の加工法に間違いはない」と言い張って原因を素材のせいにし、素材メーカーは「自分のほうには問題はない」と反発します。
メンツにかけて自分の責任を認めないのです。
これでは、速やかに不良の原因をつきとめて対策を打つことができません。
技術を導入する場合でも、うまくいかなければ「そもそも教え方に問題があるのでは」と疑心暗鬼になり、自ら主体的に問題解決する努力を放棄してしまいます。
メンツにこだわり、「問題の原因は自分ではなく外にあるはず」という意識がある限り、技術の進歩は阻害され、日本企業に追いつくことはまずできないでしょう。