韓国文化にはケンチャナョ精神があります。
銀行でも料金振り込み額に、1ウォン足らなくても、窓口の女性が「ケンチャナョ」といって受理してしまいます。
韓国人は杓子定規なことが嫌いで、細かいことを厳格に要求するとうるさがられるため、なんでも「ケンチャナョ」で済ませてしまいがちですが、銀行までそうなので驚きです。
もうひとつ、韓国人には「パリパリ(早く早く)」というのがあります。
とにかく気が短く、なんでも手っ取り早い方法で済ませてもらおうとするのです。
逆に、すぐに結果の出ない地道な研究は苦手です。
韓国で自然科学分野でノーベル賞が出ないのも、ここに大きな原因があるのではないかと思います。
この「ケンチャナョ」と「パリパリ」の精神は、物づくり分野でも大きな影響を与えています。
製造現場ではたくさんの製品をできるだけ早く作ることが最重要課題であり、このため生産工程の改善で不良率を下げるという細かい努力をするより、不良品が出れば最終検査でハネたほうが早いという短絡的思考に走りがちで、歩留まりがなかなか向上しません。
商品開拓においても時間をかけて自社技術で新製品を作るより、海外の技術を導入してすぐに利益に繋がる製品ばかりをつくります。
「ケンチャナョ」と「パリパリ」の精神は、海外からの「パクリ」までも積極的に許容するようになりました。
技術を手に入れるのが先決であり、企業倫理などの「しちめんどくさい」ことは棚に上げて、やれることをなんでもやりだしたのです。
地道な研究開発によってオリジナル技術を蓄積し、自ら独創性を追求するという発想のない韓国企業が、日本を追い越せるとはとても考えられません。